...この索寞(さくばく)とした部屋の空気が...
芥川龍之介 「南京の基督」
...屋根ばかりしか見えない窓外の索寞(さくばく)とした景色(けしき)のなかで...
高見順 「如何なる星の下に」
...索寞として音を立てて...
武田麟太郎 「大凶の籤」
...私はその索寞(さくばく)たる山村を選んだ...
太宰治 「東京八景」
...前垂(まへだれ)がなければ彼等(かれら)の姿(すがた)は索寞(さくばく)として畢(しま)はねば成(な)らぬ...
長塚節 「土」
...利根川(とねがは)を渡(わた)つてからは枯木(かれき)の林(はやし)は索寞(さくばく)として連續(れんぞく)しつゝ彼(かれ)を呑(の)んだ...
長塚節 「土」
...先生が疾(と)くに索寞(さくばく)たる日本を去るべくして...
夏目漱石 「ケーベル先生」
...なぜかくのごとく四辺の光景と映帯(えいたい)して索寞(さくばく)の観を添えるのか...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...だから索寞(さくばく)たる曠野(あらの)の方角へ向けて生活の路(みち)を歩いて行きながら...
夏目漱石 「道草」
...始めと同じように索寞(ひっそり)していた...
夏目漱石 「明暗」
...索寞たる巴里のまん中で...
久生十蘭 「淪落の皇女の覚書」
...索寞(さくばく)といふよりは...
三島霜川 「青い顏」
...で其處らの物象が、荒涼といふよりは、索寞として、索寞といふよりは、凄然(せいぜん)として、其處に一種人を壓付(おしつ)けるやうな陰鬱な威力があツた...
三島霜川 「解剖室」
...ただ索寞としたこの八畳の平凡な風景だと思うと...
横光利一 「上海」
...別に客無くして索寞たるものであつた...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
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