...第一フロレンスの博物館の前を素通りしてしまふのも同前であります...
芥川龍之介 「文芸鑑賞講座」
...こちら側にある東信電気の小舎の前を素通りして...
石川欣一 「可愛い山」
...あとはドライアイスが液体を素通りして...
太宰治 「帰去来」
...その六田の橋の袂(たもと)を素通りして...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...素通りして行ってしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...そこは素通りしてしまって...
中里介山 「大菩薩峠」
...この茶屋の前を素通りしてグングンと引き立てられ...
中里介山 「大菩薩峠」
...待合室を素通りして飛行場へ行くと...
久生十蘭 「ノア」
...まったく彼の頭を素通りしてしまった...
アルジャナン・ブラックウッド 森郁夫訳 「秘密礼拜式」
...ふん、こいつだなと思って、私はその家の前を何度も振り返りながら、素通りして、裏の山へ抜けようとしかけたが、頭上の大きな樅(もみ)の木からときおりどっと音を立てて雪が崩れ落ちてくるのに目が開けられないほどなので、又、引っ返してきた...
堀辰雄 「雉子日記」
...私はそのまま默つてその傍を素通りしてから...
堀辰雄 「生者と死者」
...中央線の長い列車が地響きをさせながら素通りして行った...
堀辰雄 「菜穂子」
...野菜畑の間を急ぎ足で素通りして...
牧野信一 「籔のほとり」
...胃が働かなければ食物が吸収されないから滋養分も脂肪分も身体へ入らんで腹の中を素通りして下痢を起します...
村井弦斎 「食道楽」
...それらの人々は宮邸を素通りして...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...いま読み返してみると随分素通りして読んでしまったと思いました...
山崎富栄 「雨の玉川心中」
...乗客の待っている停留所を素通りしてしまい...
山本周五郎 「季節のない街」
...ほかの家の前を素通りして持って来たんですから」諄々(くどくど)とそういうのが聞えた...
山本周五郎 「日本婦道記」
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