...第一フロレンスの博物館の前を素通りしてしまふのも同前であります...
芥川龍之介 「文芸鑑賞講座」
...そっと素通りして自分の部屋にはいった...
有島武郎 「星座」
...芥川は家の垣根に沿つて素通りしてしまつて神明町のはうに行く...
小穴隆一 「二つの繪」
...なんの縁(えん)もゆかりも無いような顔で素通りして...
太宰治 「おさん」
...あとはドライアイスが液体を素通りして...
太宰治 「帰去来」
...茶の間の前を素通りして...
谷崎潤一郎 「鍵」
...その六田の橋の袂(たもと)を素通りして...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...見ずに素通りして了つては...
田山録弥 「山間の旅舎」
...この情景を素通りしてしまっている...
豊島与志雄 「現代小説展望」
...案外にもそのまま挨拶もなく(挨拶すべき義務もなく)この前を素通りして先をいそがせましたから...
中里介山 「大菩薩峠」
...ところもあろうにわが居城の江州長浜の前を素通りして...
中里介山 「大菩薩峠」
...待合室を素通りして飛行場へ行くと...
久生十蘭 「ノア」
...そのくせ下駄音が窓下を素通りしてしまふと...
北條民雄 「断想」
...野菜畑の間を急ぎ足で素通りして...
牧野信一 「籔のほとり」
...あやつりを出て、どこをどうさまよって、時を消したか、すんなりとしたお高祖頭巾の姿が、影のように、まぼろしのように、山ノ宿の、宿屋町にあらわれたのは真夜中すぎ――芝居者相手の雑用宿のいじけた店が、二、三軒並んでいるのを、素通りして、意気で、品のいい「花村」というはたご屋の前に、ほんのしばし、立ち止って行灯を眺め、二階を見上げたお初、ニッと、目で笑った...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...県庁の方も素通りして来た位だったが...
三好十郎 「樹氷」
...いま読み返してみると随分素通りして読んでしまったと思いました...
山崎富栄 「雨の玉川心中」
......
山之口貘 「鮪に鰯」
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