...不景気など素通りしてしまう...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...素通りしてしまった...
高見順 「如何なる星の下に」
...金木を素通りして...
太宰治 「津軽」
...この情景を素通りしてしまっている...
豊島与志雄 「現代小説展望」
...ネオンサインのぐるぐる廻るバアの前を素通りして電車道まで来ると型の如く後戻りする...
原民喜 「飯田橋駅」
...ふん、こいつだなと思って、私はその家の前を何度も振り返りながら、素通りして、裏の山へ抜けようとしかけたが、頭上の大きな樅(もみ)の木からときおりどっと音を立てて雪が崩れ落ちてくるのに目が開けられないほどなので、又、引っ返してきた...
堀辰雄 「雉子日記」
...汽車で素通りしている...
堀辰雄 「雉子日記」
...僕等の前を素通りして...
堀辰雄 「死の素描」
...私はそのまま默つてその傍を素通りしてから...
堀辰雄 「生者と死者」
...今度は居酒屋の前を素通りして...
牧野信一 「「学生警鐘」と風」
...堀田は二人の傍を素通りして...
牧野信一 「街角」
...あやつりを出て、どこをどうさまよって、時を消したか、すんなりとしたお高祖頭巾の姿が、影のように、まぼろしのように、山ノ宿の、宿屋町にあらわれたのは真夜中すぎ――芝居者相手の雑用宿のいじけた店が、二、三軒並んでいるのを、素通りして、意気で、品のいい「花村」というはたご屋の前に、ほんのしばし、立ち止って行灯を眺め、二階を見上げたお初、ニッと、目で笑った...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...この前の手紙にこの手紙へのこと素通りしてしまっていたって? 二日のお手紙はそういう可能を自分の条件の裡に発見し具体化してゆく心持に直接ふれて来ていたのに...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...県庁の方も素通りして来た位だったが...
三好十郎 「樹氷」
...それらの人々は宮邸を素通りして...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...いま読み返してみると随分素通りして読んでしまったと思いました...
山崎富栄 「雨の玉川心中」
...K君は宝くじ屋さんの前をいつも素通りしているわけになるのであるが...
山之口貘 「宝くじ・その後」
...日ごろは横目に素通りしていた大蔵の足利屋敷の門へ...
吉川英治 「私本太平記」
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