...第一フロレンスの博物館の前を素通りしてしまふのも同前であります...
芥川龍之介 「文芸鑑賞講座」
...小躍りして停留場を素通りした...
薄田泣菫 「茶話」
...車につけてあるDのいわば威光で素通りできた...
高見順 「いやな感じ」
...僕は一二ヶ月素通りしていきなり春の眞中にとびこんだやうに感じたものだ...
田畑修一郎 「南方」
...素通りさせてしまいます...
豊島与志雄 「変な男」
...大はまの立場(たてば)も素通りをしてしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...渡場(わたし)を素通りしてはいけねえでば...
中里介山 「大菩薩峠」
...こうして看板を見ると素通りが出来なくなる...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...ほろびに到る門の前を素通りしたンだ...
林芙美子 「浮雲」
...又素通りで二葉(ふたば)やへ行く氣だらう...
樋口一葉 「にごりえ」
...待合室を素通りして飛行場へ行くと...
久生十蘭 「ノア」
...素通りしそうになったが...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...ちかごろは郵便夫が自分のうちの門を素通りするのを見とゞけた時に...
牧野信一 「タンタレスの春」
...犬ころだつて素通りはさせやしないから……」すると...
牧野信一 「馬車の歌」
...今度はバスの窓からそちらをながめただけで素通りした...
正宗白鳥 「冬の法隆寺詣で」
...この前の手紙にこの手紙へのこと素通りしてしまっていたって? 二日のお手紙はそういう可能を自分の条件の裡に発見し具体化してゆく心持に直接ふれて来ていたのに...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...素通りはひどいでしょ」重吉の足がのろくなり...
山本周五郎 「ちゃん」
...そうして次に今一つある西洋間の青い扉(ドア)の前を素通りにして一番向うの廊下の端にある日本間の障子に手をかけた...
夢野久作 「あやかしの鼓」
便利!手書き漢字入力検索