...四書の素読(そどく)は覚束(おぼつか)なく...
芥川龍之介 「骨董羹」
...習字と漢籍の素読(そどく)と武芸とだけで固めた吾等の父祖の教育の膳立ては...
寺田寅彦 「マーカス・ショーとレビュー式教育」
...私は八歳の時から素読をはじめ...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...常の素読は、『助読(じょどく)』という素読の終っただけの者や、寄宿舎に入って素読以上の事を研究している若者から教えてもらい、それの誤は教官たる先生が訂すのである...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...素読は何らむつかしいものとは思わなかったが...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...素読のみに止まらず...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...きちんと袴をはき小机をあひだに先生と向ひ合に端坐し、子の曰(のたまは)くと、何のことやら訳の分らぬことを棒読にして来た、素読の稽古から、家へ返るが否や、またもや客間へお辞儀に出て、しびれを切らさねばならないのかと思ふと、それがいやさに、馬車のことも忘れてしまつて、付添の女中の驚くのを見返りもせず、縁側から庭へ飛下り、植込の中へ逃込んでしまつた...
永井荷風 「冬の夜がたり」
...「何か聞出したのか」「お隣の長崎屋――あの万両分限の箱入り娘お喜多が、皆川半之丞と仲がよくなったのを、長崎屋の主人幸右衛門が、貧乏浪人などは以(もっ)ての外と、生木(なまき)を割いたのを御存じですかい」「いや知らねえ」「銭形の親分も、情事(いうごと)出入りには目が利かないネ」「ふざけるな――探ったのはそれっきりか」「…………」「手前が妹に教わって、蒙求(もうぎゅう)を囀(さえず)る間、奥の一と間じゃ何をやったんだ」「それが解らねえ、素読の声は愚か、人の話し声も聞えませんや」「呆れた野郎だ、娘の顔ばかり見ていたんだろう」「もっとも、人の歩く音や、重い物を引摺るような音は聞えたように思うが」「それが謀叛の証拠になるかも知れなかったんだ、何だって覗いて見ねえ」「武士はそんな卑怯なことをするものじゃねえ――と言いたいが、実は娘が側(そば)にひっ付いて、瞬(またた)きする間も離れなかったんで、へッ、へッ」ガラッ八は平掌(ひらて)で長い顎を逆撫でにしております...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...英語の素読というような科目もあった...
長谷川時雨 「松井須磨子」
...現に観山翁に孟子の素読を学ぶ時なりけん...
正岡子規 「読書弁」
...あぐらをかいて身体をゆすぶって大声を挙げながら素読(そどく)の雑唱をやる...
柳宗悦 「全羅紀行」
...これも素読学問時代の臆説でヤゲンは語のままに薬研のこと...
柳田國男 「地名の研究」
...朝のうち講話と素読と習字をし...
山本周五郎 「桑の木物語」
...夕食まで甥の小一郎に素読を教えた...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...みよは安之助に少しずつ素読(そどく)の口まねをさせたり...
山本周五郎 「日本婦道記」
...四書五経の素読(そどく)が八歳の時に相済み...
夢野久作 「名君忠之」
...源氏(げんじ)の素読(そどく)を習っていた頃のような調子で...
吉川英治 「新書太閤記」
...机で素読(そどく)をしながら...
吉川英治 「松のや露八」
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