...お鳥は彼女の言葉をどうしても素直には取り上げなかった...
芥川龍之介 「玄鶴山房」
...どんなことでも素直にはいはいときいて...
海野十三 「怪塔王」
...手際(てぎわ)のいい引込みも素直にはできかねるというふうだった...
徳田秋声 「仮装人物」
...やはり素直にはなれないのだった...
徳田秋声 「縮図」
...素直には言ってしまわないことはわかっています...
中里介山 「大菩薩峠」
...ただ素直にはいはいと聴(き)いていたが...
夏目漱石 「行人」
...しかし彼の云う事を素直にはいはい聴いているとどこまで行ってもはてしがなかった...
夏目漱石 「明暗」
...何を聴いても素直には言いそうもありません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...どの人にも好都合が與へられるのだが……だがこの自分はこのまゝ素直には消え失せてはゆけない...
林芙美子 「雨」
...何かその母がわざわざ夫と一しょに自分に附添って来てくれた事を素直には受取れないように感じていた...
堀辰雄 「菜穂子」
...併し素直には押へられたくないものだと思つてゐました...
コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 森林太郎訳 「樺太脱獄記」
...素直には8830もう帰って来ぬ...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...どうも素直には話にのれぬ気がするのだ...
矢田津世子 「神楽坂」
...どうにも素直には頷けなかった...
矢田津世子 「父」
...「いや、何」又右衛門は、そこでかぶりを振って、胸をのばすと、急に思いついたように、冷えた杯を唇へ当てて、「親としては、あの温厚で沈着な犬千代どのなら、よい聟君(むこぎみ)と、実はよろこんで――約束までしてしもうたわけでござるが、なんとよ、近ごろの娘は、親の眼がねにも、そのことばかりはと、素直には、頷(うなず)かぬのじゃ」「ほ! では寧子どのには、その縁談を、嫌だと、仰っしゃるので?」「嫌とも、親に対して、よういわぬが、よいとは決して申さぬのだ...
吉川英治 「新書太閤記」
...そう素直にはいわないだろう...
吉川英治 「宮本武蔵」
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