...作左は素より忠侃(ちうかん)一辺の男なれど...
芥川龍之介 「大久保湖州」
...我は素より我心を以て汝が行を匡(たゞ)さんとせず...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...寧ろ正が倒れ邪が蔓るのが今の世の常態で、正直で一生懸命に(かせ)いでも其日其日を喰ひ兼ねて居る者が更に思はぬ災難に遇ふこともあれば、横着至極不届千万なことをして、大金を儲けた者が、一生涯は素より、子や孫の代まで栄華に暮して居ることもある...
丘浅次郎 「人類の誇大狂」
...之は素より一朝一夕に行はれるべき事でない...
丘浅次郎 「理科教育の根底」
...素より神話学の職分なるも...
高木敏雄 「比較神話学」
...素より神話時代の国民の思想と...
高木敏雄 「比較神話学」
...たとへば昌造の「新塾餘談」の序文にある――素より文字を以て論ずるものに非ず...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...吾々は素より絶対運動を許すことは出来ない...
戸坂潤 「エマヌエル・カント『自然哲学原理』解説」
...素より殆んど何等の現実的内容のないものであるのにだ...
戸坂潤 「挙国一致体制と国民生活」
...之も素より思想の法則の他ではない...
戸坂潤 「哲学の現代的意義」
...死んだ後の財産など素よりどうなっても構わないが...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...平次は素よりそんなものを讀まうともしなかつたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そんなものは素より眼にも入らず...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...素より白けた座を救ふ由もありません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...素より八五郎には鑑定もつきません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...吾妻鏡の同一運命に遭遇せること素より怪むに足らざれども...
原勝郎 「吾妻鏡の性質及其史料としての價値」
...それは素より華族女學校の椅子にかゝつて育つた物ではないに相違なく...
樋口一葉 「十三夜」
...また栄養も平素より幾分多く摂取することも出来た...
武者金吉 「地震なまず」
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