...首絞らるゝ者が自己の悲痛を紛らすための自欺に過ぎない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...紛らす煙草の煙も無かった...
泉鏡花 「婦系図」
...人目を紛らすのに仔細(しさい)ありません...
泉鏡花 「婦系図」
...はッはッはッ」と笑いに紛らす声がした...
海野十三 「深夜の市長」
...そしてどうしたらその悲しみを紛らすことが出来るであろうかといろ/\悶(もだ)えぬいた末に...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...散歩でもして紛らすつもりで出かけたが...
種田山頭火 「其中日記」
...『わたしは気を紛らすために...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...せめてめまぐるしいものや数々のものに心を紛らす...
中原中也 「山羊の歌」
...気を紛らすのであった...
原民喜 「壊滅の序曲」
...手持ちぶさたを紛らすためにNの喉をギユツと絞めたりした...
牧野信一 「秋晴れの日」
...眠さを紛らす例の苦し紛れに不図自動車を見た時に話材にありついて...
牧野信一 「蔭ひなた」
...その私のセンチメンタルなしぐさを紛らすやうに道子は無造作に私の手から石を取り戻すと...
牧野信一 「砂浜」
...源氏はまだつれづれさを紛らすことができなくて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...女はよく紛らすこともできるし...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...悩ましい気持ちの少し紛らすこともできた雲井(くもい)の雁(かり)夫人は...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...氣を紛らすために唄つてゐるのが聞かれた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...月も彼の欲求を紛らすことはできないと見える...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
...どうかしてそれを紛らすために...
若山牧水 「樹木とその葉」
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