...彼は心身に食いこんで来るいろいろの苦しみを紛らす為に楽しい記憶を思い起そうとした...
芥川龍之介 「玄鶴山房」
...人目を紛らすのに仔細(しさい)ありません...
泉鏡花 「婦系図」
...取りも直さず文学のような生柔(なまやさ)しい事ではとても自分の最大苦悶を紛らす事が出来ないという意味にも解釈される...
内田魯庵 「二葉亭四迷」
...この頃もよく人知れぬ憂さを紛らすために弾(ひ)いているのが耳にあるせいか...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...暑さを忘れ憂欝を紛らすことが出来る...
種田山頭火 「行乞記」
...散歩でもして紛らすつもりで出かけたが...
種田山頭火 「其中日記」
...踊り子たちの手持ちぶさたを紛らすためにだれかが歌いだす...
寺田寅彦 「沓掛より」
...それを紛らすためには...
徳田秋声 「仮装人物」
...酷しい現実を紛らすための娯楽偸安の具として作品を読む多数者のことは...
豊島与志雄 「文学への実感について」
...気を紛らすのであった...
原民喜 「壊滅の序曲」
...あゝパンのかけらでも! この堪へ難い空腹の苦痛を紛らす爲めに...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...退屈を紛らすために...
牧野信一 「公園へ行く道」
...女はよく紛らすこともできるし...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...人生の退屈さと悲哀とを紛らすことができないではありませんか...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...人目を紛らすだけの用意をして常に物質の保護を怠らぬようになった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...わざとそれを心で紛らすために玄関を馳け出すのであった...
室生犀星 「幼年時代」
...そのほか当時のさびしい生活を紛らすためか...
山本笑月 「明治世相百話」
...紛らすことも出来ない...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
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