...落花紛々(らっかふんぷん)たる下を動物園に入場し...
海野十三 「大脳手術」
...当テ二微雪俄ニ下リ紛々舞レ空之際ニ一...
京山人百樹、京水百鶴 「北越雪譜」
...雑多紛々の人生である...
田山録弥 「くつは虫」
...家内には紛々(ごたごた)が絶えず...
永井荷風 「ひかげの花」
...くだらない弁慶を見せられるか」怒気紛々(どきふんぷん)として弥助が罵(ののし)りました...
中里介山 「大菩薩峠」
...「金さん、番茶を」「頂きます」腰高障子のガラス越しに、音もなく、紛々と、降りしきる雪が、絣(かすり)の模様のように見える...
火野葦平 「花と龍」
...其一身は則ち醜行紛々...
福沢諭吉 「女大学評論」
...紛々たる人の噂(うわさ)は滅多に宛(あて)になら坂(ざか)や児手柏(このでがしわ)の上露(うわつゆ)よりももろいものと旁付(かたづけ)て置いて...
二葉亭四迷 「浮雲」
...まだときどき思ひ出したやうに雪が紛々と散つてゐる木曾の谷や川へたえず目をやりながら...
堀辰雄 「辛夷の花」
...月影紛々終(つい)に完円を見ず...
正岡子規 「俳句の初歩」
...眠らんとするにゆかしき香氣(にほひ)紛々(ふん/\)と鼻を撲ちて我ながら夢とも幻とも分かず...
正岡子規 「花枕」
...テダの語原には紛々(ふんぷん)の諸説があるが...
柳田国男 「海上の道」
...学者や芸術家がその純粋の自我を毀損(きそん)しないで現代の紛々たる俗争の間に立ち得るとはどうしても想われない...
与謝野晶子 「鏡心灯語 抄」
...蝶の羽翼(はがい)の紛々と砕けたような...
吉川英治 「剣難女難」
...落花紛々、その下にも、今にも散らされそうな二つの命――「ああひどい目に会った」「あんな所へ寄り集(たか)って盲滅法の飛ばッちりでも食った日にゃ、いい面の皮だ」ほうほうの態で、大師堂の茶屋へ帰って来たさっきの客は、ちょっとのぞいて来た虚無僧と侍の斬り合いを亭主に話して聞かせたが、その話がまた、輪に輪がかかっていかにも物々しい...
吉川英治 「剣難女難」
...紛々(ふんぷん)だった...
吉川英治 「私本太平記」
...紛々(ふんぷん)たる声にとりまかれて困惑している主君の顔が――藤吉郎には...
吉川英治 「新書太閤記」
...史家の臆測を煩(わずら)わして諸説紛々今もはっきりしない結果になった唯一の原因だからである...
吉川英治 「茶漬三略」
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