...雪にも紛(まが)はうず桜の花が紛々と飜(ひるがへ)り出(いだ)いたと思へば...
芥川龍之介 「きりしとほろ上人伝」
...紛々(ふんぷん)として数へ難し...
芥川龍之介 「骨董羹」
...吏臭紛々たる明治の官界史にあっては恐らく当時の官報局ぐらい自由の空気の横流していたはけだし類を絶しているだろう...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...性の善悪について立入った穿鑿をしなかったから爾来三千年中国でも諸説紛々いまだに帰着するところがない...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...紛々たる左右の言を拒けて工事は着手された...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...或る理由からさほど明瞭に紛々としていない...
大杉栄 「新しき世界の為めの新しき芸術」
...私は酔うてゐなかつたらその臭気紛々でとても寝つかれなかつたらう...
種田山頭火 「行乞記」
...トロイアの他の軍勢は人馬とも紛々として他に敗る...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...刀刃または兩刃の 25槍を用ゐて彼と是紛々として屠り合ふ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...隨て其人物に對する批評の紛々たるは亦此侯と此伯を以て最も多しとす...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...世間復た侯の未来をいふもの紛々として起る或は曰く...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...紛々として降る雪...
永井荷風 「狐」
...まさに昏々昧々(こんこんまいまい)紛々若々(ふんぷんじゃくじゃく)として帰(き)するところを知らぬ...
中島敦 「悟浄出世」
...かの紛々(ふんぷん)と縺(もつ)れ合う群衆の上に高く傑出して...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...紛々(ごたごた)と目まぐるしく心の上面(うわつら)を過ぎて行く...
二葉亭四迷 「平凡」
...和歌のやさしみ言ひ古し聞き古して紛々(ふんぷん)たる臭気はその腐敗の極に達せり...
正岡子規 「俳人蕪村」
...都を発したあと朝議紛々(ふんぷん)の結果ではあろうが...
吉川英治 「私本太平記」
...評議紛々(ふんぷん)たるものがあった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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