...事実しかし紛々たる事実の知識は常に民衆の愛するものである...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...その又砂利の上には庭樹の落葉が紛々(ふんぷん)として乱れてゐる...
芥川龍之介 「東京小品」
...黄なる水湛(たん)として窪(くぼ)みに溜(たま)りをりて臭気紛々として人に逼(せま)る...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...その紛々たる群議を排して所信を貫ぬいたのは井侯の果敢と権威とがなければ出来ない事であって...
内田魯庵 「四十年前」
...暗き空に時ならぬ白雪紛々として降り來れり...
大町桂月 「水戸觀梅」
...人生が雑多紛々で...
田山録弥 「ある時に」
...紛々たる世間の批評は...
田山録弥 「須磨子の死」
...首級の紛々と落つるほとりに戰へり...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...詩人歌うて曰く「落花紛々(ふんぷん)、雪紛々、雪を踏み花を蹴(け)って伏兵起(おこ)る...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...家内には紛々(ごたごた)が絶えず...
永井荷風 「ひかげの花」
...紛々擾々(ふんぷんじょうじょう)たる中へ...
中里介山 「大菩薩峠」
...明らかに殺気そのものが紛々濛々(ふんぷんもうもう)と湧いているのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...――大變な見幕で」お組と掴み合ひの喧嘩をした後の紛々(ふんぷん)たる忿怒(ふんぬ)は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...紛々として帰著する所を知らなんだ...
南方熊楠 「十二支考」
...諸説紛々たるも今に(およ)んでいずれが正解と判断し能わぬ...
南方熊楠 「十二支考」
...蝶の羽翼(はがい)の紛々と砕けたような...
吉川英治 「剣難女難」
...楠木家の菊水ノ紋については、郷土の間でも、諸説紛々で、一定はないらしい...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
...しかし、いちいちについては、異説紛々であり、必ずしも、一致していない...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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