...嘴(くちばし)を鳴らして紛々と飛び繞(めぐ)つてゐるのでございまする...
芥川龍之介 「地獄変」
...当テ二微雪俄ニ下リ紛々舞レ空之際ニ一...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...それは紛々(ふんぷん)として狂人のようであったが...
田中貢太郎 「阿宝」
...刀刃または兩刃の 25槍を用ゐて彼と是紛々として屠り合ふ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...トロイア軍は紛々と亂れて逃れ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...頽廃(たいはい)した享楽家も悪臭紛々たる不道徳家も...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...既に盛りを過した梅の花は今しも紛々として散りかけている最中であった...
永井荷風 「十六、七のころ」
...怒気紛々として掴みかかろうとしている下郎たちも...
中里介山 「大菩薩峠」
...紛々擾々(ふんぷんじょうじょう)たる中へ...
中里介山 「大菩薩峠」
...紛々(ごたごた)と目まぐるしく心の上面(うわつら)を過ぎて行く...
二葉亭四迷 「平凡」
...低い繊弱(かぼそ)い声が紛々(ごちゃごちゃ)と絡み合って...
二葉亭四迷 「平凡」
...月影紛々終(つい)に完円を見ず...
正岡子規 「俳句の初歩」
...俗臭紛々難有味(ありがたみ)少しもなく...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...紛々(ふんぷん)たる万事は破竹のごとくなるべしなどと広言しつ...
森鴎外 「舞姫」
...中にはまた文庫の塵(ちり)の香の紛々と鼻を撲(う)つものもなしとしない...
柳田國男 「地名の研究」
...落花紛々、その下にも、今にも散らされそうな二つの命――「ああひどい目に会った」「あんな所へ寄り集(たか)って盲滅法の飛ばッちりでも食った日にゃ、いい面の皮だ」ほうほうの態で、大師堂の茶屋へ帰って来たさっきの客は、ちょっとのぞいて来た虚無僧と侍の斬り合いを亭主に話して聞かせたが、その話がまた、輪に輪がかかっていかにも物々しい...
吉川英治 「剣難女難」
...鵞毛(がもう)のような雪が紛々(ふんぷん)と天地に舞っていた...
吉川英治 「三国志」
...やがて夜明けと共に消え去った――とか紛々たる取沙汰なのである...
吉川英治 「源頼朝」
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