...その又砂利の上には庭樹の落葉が紛々(ふんぷん)として乱れてゐる...
芥川龍之介 「東京小品」
...諸家の諸説が紛々として帰趨の定まらぬところに...
太宰治 「津軽」
...こゝに或は又そこに紛々として亂る如く...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
... 325かく紛々とアカイアの軍勢勇を喪ひて...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...剛強の心の中に念じ曰ふ546 IV 467.『あゝ進退を如何にせむ? 衆の恐れて紛々と逃げ去るほとり...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...紛々として乱麻の如し...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...必ずしも進歩自由兩派の舊形依然たるを憂へず必ずしも兩派の嫉妬軋轢熾んなるを憂へず必らずしも異論群疑の紛々囂々たるを憂へず爭ひは益々大なる可し...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...怒気紛々として掴みかかろうとしている下郎たちも...
中里介山 「大菩薩峠」
...それでなければいたずらに紛々たる擾乱(じょうらん)を文壇に喚起する道具に過ぎなくなります...
夏目漱石 「創作家の態度」
...沢山じゃありませんか」八五郎はまだ紛々(ぷんぷん)としております...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...――大變な見幕で」お組と掴み合ひの喧嘩をした後の紛々(ふんぷん)たる忿怒(ふんぬ)は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...宗旨の匂ひが紛々として鼻をつくが...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...此処で又紛々(ごたごた)と入乱れ重なり合って...
二葉亭四迷 「平凡」
...つむじ風に紛々と舞ひあがつてゐた...
牧野信一 「天狗洞食客記」
...班内でも諸説紛々という有様であったらしい...
夢野久作 「ざんげの塔」
...紛々(ふんぷん)たる声にとりまかれて困惑している主君の顔が――藤吉郎には...
吉川英治 「新書太閤記」
...片々(へんぺん)の影を描いては消え去る落葉の紛々(ふんぷん)と...
吉川英治 「平の将門」
...やがて夜明けと共に消え去った――とか紛々たる取沙汰なのである...
吉川英治 「源頼朝」
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