...こなたに立てる看護婦が手中の紙燭(ししょく)はたはたとゆらめいたり...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...殺しておけば、津軽も、命には代えられんと思うから、檜山を返すであろう」「然し」「戻さん節は、また、殺す」大作と、関良輔とは、堤の上から、田圃の畔(あぜ)へ降りて、紙燭をたよりに、村の方へ歩いて行った...
直木三十五 「三人の相馬大作」
...紙燭の灯の洩れぬよう二人の袖で...
直木三十五 「南国太平記」
...そらここを御覧」と紙燭を差しつける...
夏目漱石 「草枕」
...例へば(にわとり)の片足づゝや冬籠(ふゆごもり)丈草呼び出しに来てはうかすや猫の恋 去来紙燭(しそく)して廊下過ぐるや五月雨 蕪村家見えて春の朝寐や塩の山嵐外(らんがい)等の如し...
正岡子規 「俳諧大要」
...紙燭(ししょく)をかざして...
吉川英治 「私本太平記」
...彼女の白い手の紙燭(ししょく)は慄(ふる)えもしていない...
吉川英治 「私本太平記」
...これへご案内してまいりました」「大覚ノ宮?」紙燭が消えかかった...
吉川英治 「私本太平記」
...尊氏は無言のまま紙燭を受け取って「外にいよ」と命じ...
吉川英治 「私本太平記」
...尊氏は紙燭を手に立って顔をよせた...
吉川英治 「私本太平記」
...紙燭(ししょく)を持って...
吉川英治 「新書太閤記」
...紙燭(ししょく)を持って佇(たたず)んだ...
吉川英治 「新書太閤記」
...やがて紙燭(ししょく)を持って出て来た...
吉川英治 「新書太閤記」
...雪もあるのに」侍女や家臣たちは、紙燭をよせて、近々とそれを覗(のぞ)き合った...
吉川英治 「新書太閤記」
...紙燭(ししょく)を捧げる...
吉川英治 「親鸞」
...紙燭(ししょく)を...
吉川英治 「親鸞」
...未練はない」「そうか……」紙燭を持ちかえて...
吉川英治 「宮本武蔵」
...湯に浸(つか)っていたがよい」紙燭をわたして...
吉川英治 「宮本武蔵」
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