...君は僕と一處に昇之助の紙治内を聽いた筈だ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...私(わて)『紙治(かみぢ)』の炬燵(こたつ)が演(や)つてみたうおまんのやが...
薄田泣菫 「茶話」
...夫人と二人で紙治(かみぢ)の芝居を演(や)る位さばけた画家(ゑかき)の事だ...
薄田泣菫 「茶話」
...三藏は『外は十夜の人通り』といふ紙治の文句を讀んだ時の心持が思ひ出されて身に入(し)みる...
高濱虚子 「俳諧師」
...清水坂を上りながらふと聲に出した「紙治」の文句をきゝつけて「この人はこの頃淨瑠璃をお稽古してゐるんです」と言ふ...
竹久夢二 「砂がき」
...おときさんが僕の家に來ておときさんの絃で金公が「紙治」を語つたのは――...
竹久夢二 「砂がき」
...おときさんの絃で私が「紙治」を語る時がいつかあるでせうか...
竹久夢二 「砂がき」
...昔の紙治(かみじ)のおさんではないけれども...
太宰治 「おさん」
...それから紙治など一とほり当時は覚え込んでゐたのである...
太宰治 「津軽」
......
永井荷風 「書かでもの記」
...当時の劇界いまだ鴈治郎(がんじろう)を知らず「紙治」はいと珍しきものなりしが如し...
永井荷風 「書かでもの記」
...書抜の読合(よみあわせ)済みし日音羽屋は茶屋三州屋(さんしゅうや)二階に竹本相生太夫(たけもとあいおいたゆう)を招き置きて「紙治」一段を語らせこれを登場俳優一同に傾聴せしめ...
永井荷風 「書かでもの記」
...紙治(かみじ)、茶屋の場...
柳宗悦 「工藝の道」
...福円は大阪育ちで紙治や梅忠に鴈治郎の向うを張った...
山本笑月 「明治世相百話」
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