...その間をほとんど純粋に近い藍色(あいいろ)の水が白い泡(あわ)を噴(ふ)いて流れてゆく...
芥川龍之介 「日光小品」
...たくましく生きている職工さん、軍人さんは、いまこそ芸術を、美しさを、気ままに純粋に、たのしんでいるのでは無いか...
太宰治 「正直ノオト」
...純粋に技巧として之に対するのである...
津田左右吉 「芸術と社会」
...第三に、それ自身によって知られ、読者が自分において発見するところの命題、例えば、同じものは同時に有ると共にあらぬことはできぬ、また、無はいかなるものの動力因であることも不可能である、及びこれに類する命題を、注意深く考量し、そしてかようにして自然によって自分に賦与されている、しかし感覚の表象が極めてはなはだしく混乱させ不分明にするのをつねとするところの悟性の明瞭さを、純粋に、感覚から解放して、使用するように、私は要請する...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...「この邦土で純粋に日本固有というべきものはただ二つ...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...ドイツ語がラテン語から最も注意深く純粋に保たれているのを理由として...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...純粋に創作技術上の忠告や注文というようなものは...
戸坂潤 「思想としての文学」
...墨や硯を純粋に物理学の対象として為されたものである...
中谷宇吉郎 「硯と墨」
...その他に純粋に雪と冬の山とを讃えるような記事もかなり沢山あるように思われる...
中谷宇吉郎 「雪の話」
...汝の魂を純粋にし策略をしないように...
マクス・ノイバーガー Max Neuburger 水上茂樹訳 「医学の歴史」
...純粋に我が国旧来の見合結婚だったのです...
浜尾四郎 「彼が殺したか」
...純粋に精神的なものとして...
三木清 「ゲーテに於ける自然と歴史」
...かように純粋に観想的になることによって...
三木清 「人生論ノート」
...純粋に客観的な立場においては評価はなく...
三木清 「哲学入門」
...道徳的行為は純粋に義務のために義務を行うものでなければならぬと考えるのである...
三木清 「哲学入門」
...それがあんなに純粋に保存されているのを見ると...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...純粋にただ蓮の花のみの世界として見せられたのである...
和辻哲郎 「巨椋池の蓮」
...ペルー人から見るとこれが日の神の血統を最も純粋に保つ所以だったのである...
和辻哲郎 「鎖国」
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