...純粋に架空のリアルに徹することができません...
江戸川乱歩 「影男」
...それを棄てずに純粋にして大きくしなければならぬと思う...
高村光太郎 「回想録」
...たくましく生きている職工さん、軍人さんは、いまこそ芸術を、美しさを、気ままに純粋に、たのしんでいるのでは無いか...
太宰治 「正直ノオト」
...第三に、それ自身によって知られ、読者が自分において発見するところの命題、例えば、同じものは同時に有ると共にあらぬことはできぬ、また、無はいかなるものの動力因であることも不可能である、及びこれに類する命題を、注意深く考量し、そしてかようにして自然によって自分に賦与されている、しかし感覚の表象が極めてはなはだしく混乱させ不分明にするのをつねとするところの悟性の明瞭さを、純粋に、感覚から解放して、使用するように、私は要請する...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...純粋に戯曲とは云い難い――(日本の文壇にはそういう所謂戯曲が余りに多すぎるような気がする...
豊島与志雄 「舞台のイメージ」
...バベはそれを純粋に話し得るただひとりだった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...自ら我が精神を純粋に観照することによって...
中谷宇吉郎 「古代東洋への郷愁」
...純粋に学問を身につけるために...
中谷宇吉郎 「淡窓先生の教育」
...オランダ人の中にもハーグやライデンやユトレヒトなどをば純粋にオランダ的に保存したいと熱望する者が少ないと聞いた...
野上豊一郎 「レンブラントの国」
...純粋に伝統的なる鎖国日本に納まってしまったのだ...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...勝負にたいする絶対な無関心……純粋に恬淡(てんたん)なところが必要だ...
久生十蘭 「黒い手帳」
...口の利きかたは丁寧だが、純粋に職務的で、人間同士としての「おやすみなさい」という挨拶は省いている...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「鉄道事故」
...しかしながら私は私が無限を体験すること即ち真に純粋になることが極めて稀(まれ)であることを告白しなければならない...
三木清 「人生論ノート」
...純粋に芸術に没頭した場合...
宮本百合子 「芸術家と国語」
...純粋になってしまって...
三好十郎 「恐怖の季節」
...これらはほとんどすべて純粋に支那のものであって...
柳宗悦 「北支の民藝(放送講演)」
...また道元はその仏模倣の行を純粋に仏への信の上に築いた意味において...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
...音楽はそれ自身の性質として純粋になろうとする傾向を持つ...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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