...純なる童子が節調に...
上里春生 「サガニー耕地より」
...決して大言壮語を喜ぶ単純なる志士気質やあるいは国家を飯(めし)の種(たね)とする政治家肌からではなかった...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...というものはその単純な平明な描写の中から出て来るのである...
高浜虚子 「俳句への道」
...勝たなければ生きて行けない単純な選手だ...
太宰治 「答案落第」
...かくのごとき世界においては我らの持つ欧州風の常識なるものもまた極めて不純なるべきものでありましょう...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...在来の単純な描法を用ゐてゐては十分にその効果を現はすことが出来ないにきまつてゐる...
田山録弥 「動的芸術」
...充分飽食して眠っている間に幼虫の単純なからだに複雑な変化が起こって...
寺田寅彦 「簔虫と蜘蛛」
...なんとなればかの諸君子は平生は諤々(がくがく)として単純なる自由民権の主義を論弁するにかかわらず...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...彼らはおのれの生命を進歩に対する純なる贈り物として投げ出す...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...単純なものの力と...
直木三十五 「南国太平記」
...斯様(かよう)な単純な男を一途(いちず)に呪いの道へ走らせることは...
中里介山 「大菩薩峠」
...あるいは純なる尊(たっと)い男とでもいえましょうか...
夏目漱石 「こころ」
...雲浜にくらべるとはるかに単純な...
服部之総 「志士と経済」
...しかも単純なる一種に限らず...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...という単純な卑屈な心配もあった...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「なぐり合い」
...ほんの単純な言葉だから...
三好達治 「測量船」
...実は吾れながら驚くほど単純なことに過ぎません...
柳宗悦 「日本民藝館について」
...駆け出しながらいいえ、いいえ、現代の生活と芸術に、どうして肉ばかりでゐられよう、単純な、盲目(めくら)な、そしてヒステリツクな、肉ばかりでゐられよう...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
便利!手書き漢字入力検索