...黒い紬(つむぎ)の紋つきを着た男に出来るだけ静かに話しかけた...
芥川龍之介 「冬」
...三千子の机の上にあった指紋つきの吸取紙...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...黒木綿の紋つきに...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...金紋つきの自動車が停まると制服が扉(ドア)を開け...
谷譲次 「踊る地平線」
...黒い紋つきの羽織を着て...
徳田秋声 「仮装人物」
...私が飯まへなのに気がついた伯母さんはみんながかはりに行かうといふのをそれが自分の幸福な特権であるかのやうに剛情をはり定紋つきの小田原提灯をさげて菜(さい)を買ひに出ていつた...
中勘助 「銀の匙」
...大丸髷(おおまるまげ)に黒の紋つきを着て...
中里介山 「大菩薩峠」
...撫附髪(なでつけがみ)に水色の紋つきの年配の男がありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...御安心ください」「御苦労さまでした」その撫附髪に水色の紋つきというのは...
中里介山 「大菩薩峠」
...女は紋つきである...
夏目漱石 「野分」
...定紋つきの羽織を両袖をさしそえながら持って出て...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...中には脱ぎすてゝあつた紋つきの羽織を着る者もあつた...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...葭簀ばりの入口に、台があって、角力の出方のように派手なたっつけ袴、大紋つきの男が、サーいらっしゃい! いらっしゃい! 当方は名代の(何々とその店の名を呼んで)三段がえし、旅順口はステッセル将軍と乃木大将と会見の場、サア只今! 只今! せり上り活人形大喝采一の谷はふたば軍記! 店々で呼び合う声と広告旗、絵看板、楽隊の響で、せまい団子坂はさわぎと菊の花でつまった煙突のようだった...
宮本百合子 「菊人形」
...その場へ人にたのんでかりた紋つきと袴とを入れた大きい箱をもって...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...この人通りは黒い紋つきをきたお婆さんや...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...母の黒い紋つきの裾に...
横光利一 「火の点いた煙草」
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