...財用を紊つて、民を殺して、法を亂して亡びないと云ふものは、私未だ曾て聞かないのでございます...
田中正造 「亡國に至るを知らざれば之れ即ち亡國の儀に付質問」
...酒がまわり席のやや紊(みだ)れた時分になって...
徳田秋声 「縮図」
...内閣の威信と行政機關の紊亂を來すを見るは何ぞや又兩院より建議したる學制調査會設置案の如きは...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...獨り我輩の怪む所は一百餘の代議士を有する大政黨が斯くの如き醜怪なる人物をして擅まに其黨規を紊亂せしめて憂へざること是れなり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...相公閣下、閣下は元来職守に厳に、職権を行するを以て高名なりし人なり、井上伯は閣下に比すれば、機略に富み決断に長ずれども、其の趺宕の性、動もすれば法律規則を無視するの弊あり、伊藤侯は閣下に比すれば、立法の才、組織の能力に於て超絶すれども、其の文采言語の多き割合には其の実行躬践の分量甚だ少なきの欠点あり、閣下は固より伊藤侯の才能なく井上伯の胆気なしと雖も、而も曾て重きを藩閥政府に有したるは、実に官府の秩序と威権とを保維するを以て行政の要と為したるに由れり、其の或は極端なる法治主義に偏して時に精刻峻急に陥るの病ひあるのみならず規摸も亦甚だ狭小にして、官権拡張の外殆ど大なる主張なかりしに拘らず、我輩は尚ほ此点に於ける閣下の本領を認めて、所謂る藩閥武断派の代表者と為したりき、今や閣下の本領は全く消磨して、精刻峻急の角度を取り除きたる代りに、秩序もなく、節制もなく、官紀を紊乱し、行政機関を荒廃して、唯だ内閣一日の姑息を謀らむとす何ぞ其の老ゆるの太甚しきや...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...独り我輩の怪む所は一百余の代議士を有する大政党が斯くの如き醜怪なる人物をして擅まに其党規を紊乱せしめて憂へざること是れなり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...演技をなすもの紊(みだり)に創意する処を示さんとしてその手これに伴はざれば全く取るなきに了(おわ)る...
永井荷風 「一夕」
...賞というものがかえって世道人心を紊(みだ)るの結果ともなるのであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...がしかしその家庭の紊乱――生みの母がいなくて継母に苛(いじ)められ...
新渡戸稲造 「イエスキリストの友誼」
...その秩序紊乱者の顔を覗きこんだが...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...なにかにつけて工場の空気を紊(みだ)して仕方がなかったのです...
森下雨村 「五階の窓」
...若君のお心を紊(みだ)さぬよう...
山本周五郎 「菊千代抄」
...お家の中が紊(みだ)れて...
山本周五郎 「山彦乙女」
...人と人との道みな紊(みだ)るとき...
吉川英治 「三国志」
...われから紊(みだ)したくないのであろう...
吉川英治 「私本太平記」
...城下の平和はすこしも紊(みだ)れなかったが...
吉川英治 「新書太閤記」
...一糸の紊(みだ)れもなく...
吉川英治 「新書太閤記」
...天下を紊乱(びんらん)し始めた原因だ...
吉川英治 「平の将門」
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