...木板色摺のいまだ進歩せざりし紅絵(べにえ)の時代においては...
永井荷風 「浮世絵の鑑賞」
...大正二年正月稿鈴木春信の錦絵一浮世絵板画(はんが)は元禄(げんろく)享保(きょうほう)の丹絵(たんえ)漆絵(うるしえ)より寛保(かんぽう)宝暦(ほうれき)の紅絵(べにえ)となり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...紅絵を二色または三色摺板画と呼び...
永井荷風 「江戸芸術論」
...二色摺紅絵の発明者と称せらるる西村重長の門人鈴木春信は石川豊信鳥居清満と相伍(あいご)して多年三色摺の経験を積みしが...
永井荷風 「江戸芸術論」
...二色摺(紅絵)に至りて浮世絵板画は漸(ようや)く二種の定まりたる形式を取りぬ...
永井荷風 「江戸芸術論」
...彼は紅絵に見るが如く空間を白紙(はくし)のままに残す事を許さず...
永井荷風 「江戸芸術論」
...寛保(かんぽう)延享(えんきょう)の頃の漆絵(うるしえ)紅絵(べにえ)には早くも西洋風の遠近法を用ひて巧(たくみ)に遠見(とおみ)の景色と人物群集の状(じょう)とを描き出(いだ)せり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...四年に至り始めて色摺(いろずり)の紅絵(べにえ)現はれ一枚絵の外また役者似顔の団扇絵(うちわえ)漸(ようや)く流行せり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...当時の丹絵漆絵紅絵を蒐集(しゅうしゅう)しこれら古代俳優の舞台姿をば衣裳(いしょう)の紋所(もんどころ)によりて考証穿鑿(せんさく)するは吾(われ)ら好事家(こうずか)に取りて今なほ無上の娯楽たり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...寛保の末年浮世絵は西村重長(奥村政信門人)の工夫によりて初めて純然たる彩色板刻(さいしきはんこく)(二色板紅絵)の法を発明し宝暦に入りてその技(ぎ)益進歩せり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...清満は浮世絵史上において二色摺紅絵を三色摺に進歩せしめし功労を有す...
永井荷風 「江戸芸術論」
...宝暦時代の鳥居清満が紅絵の役者を見るも...
永井荷風 「江戸芸術論」
...元文より寛保延享寛延に至る頃奥村政信及(および)その一派の画工は室内の遠景を描ける大板(おおばん)の紅絵(べにえ)漆絵(うるしえ)を出(いだ)せり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...かかる大板の浮絵は宝暦に入りて鳥居清満が紅絵を最後とし色摺(いろずり)錦絵出(いづ)ると共に暫(しばら)く杜絶(とぜつ)せしが安永に及び歌川豊春の浮絵となりて更にその流行を増しぬ...
永井荷風 「江戸芸術論」
...しかしてこれに配置せられたる群集雑沓(ざっとう)の状もまた模様風にして宝暦(ほうれき)頃鳥居清満(とりいきよみつ)が紅絵(べにえ)の風景を想起せしむるものあり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...紅絵具(べにえのぐ)のような美しい血が点々と滴り落ちる...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...初期の紅絵時代、茶色の荒い紙に、上に紅葉の枝をさし交し、侘住居をあらわす一本の自然木の柱、壁のつり棚、濡れ縁があり、壁には傘が吊られ棚に香炉がくゆり、太刀がかけてある...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...紅絵から抜け出た男「おいっ...
吉川英治 「大岡越前」
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