...店の紅殻色(べんがらいろ)の壁に天狗の面が暴戻(ぼうれい)な赤鼻を街上に突き出したところは...
寺田寅彦 「銀座アルプス」
...右舷に見える懸崖(けんがい)がまっかな紅殻色(べんがらいろ)をしていて...
寺田寅彦 「旅日記から(明治四十二年)」
...道路はシンガポールの紅殻色(べんがらいろ)と違ってまっ白な花崗砂(かこうしゃ)である...
寺田寅彦 「旅日記から(明治四十二年)」
...椰子(やし)の木の森の中を縫う紅殻色(べんがらいろ)の大道に馬車を走らせた時の名状のできない心持ちだけは今でもありあり胸に浮かんで来るが...
寺田寅彦 「病室の花」
...そうして目に見えぬ漏斗から紅殻色(べんがらいろ)の灰でも落とすようにずるずると直下に堆積(たいせき)した...
寺田寅彦 「LIBER STUDIORUM」
...」紅殻色に砥の粉色の縞をもつた柄とスタイルが彼女の姿を愛らしくした...
徳田秋聲 「芭蕉と歯朶」
...母親は紅殻色の格子を締めた!青い瞳1 夏の朝かなしい心に夜が明けた...
中原中也 「在りし日の歌」
...ふと彼はむこうに見おぼえのある紅殻色のバンガロオを見る...
堀辰雄 「ルウベンスの偽画」
...いつも紅殻色(べにがらいろ)の小蒲団の中だった...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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