...唐紅(からくれない)の模様を置いた...
江見水蔭 「怪異黒姫おろし」
...全身真紅の儘で戻って来た...
小泉八雲 大谷正信訳 「蠅のはなし」
...紅葉の美觀あるべけれど...
大町桂月 「赤城山」
...「私は紅箱があります」貴婦人は言った...
田中貢太郎 「崔書生」
...黄いろく紅(あか)く色づいた楢(なら)や榛(はん)や栗の林も連日の西風にその葉ががらがらと散って...
田山花袋 「田舎教師」
...其の顏(かんばせ)は白百合と紅薔薇の色を配しておる(complexion of lilies and roses)...
テニソン Tennyson 菅野徳助、奈倉次郎訳 「アーサー王物語」
...右舷に見える懸崖(けんがい)がまっかな紅殻色(べんがらいろ)をしていて...
寺田寅彦 「旅日記から(明治四十二年)」
...この百日紅(さるすべり)の木がいい足場になるんだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...いよいよ百日紅が散って一輪の花もなくなっても当人平気でいるから...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...紅い扱帶を見せられて膽(きも)を潰したんだらう」「そんなものですかね親分」「本當の下手人は恐ろしく企(たくら)みの深い...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ただ惜むらくは紅葉の期節は短くして十月上旬に限られていることである...
平野長蔵 「尾瀬沼の四季」
...で、僕が此処で、必ず第一番に註文するのは、紅焼魚翅だ...
古川緑波 「神戸」
...庭先の頭(けいとう)葉頭(はげいとう)にさへ霧かかりて少し遠きは紅の薄く見えたる...
正岡子規 「明治卅三年十月十五日記事」
...常盤座は坂東雛輔(ひなすけ)、市川鼻升(びしょう)、同紅車...
山本笑月 「明治世相百話」
...紅白二つの陣營に分れまして...
吉川英治 「折々の記」
...さて紅葉なんてものは...
吉川英治 「随筆 新平家」
...すこし紅(くれない)がさした...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...眞裸體になるとはしつつ覺束な此處の温泉(いでゆ)に屋根の無ければ折からや風吹きたちてはらはらと紅葉は散り來(く)いで湯のなかに樫鳥が踏みこぼす紅葉くれなゐに透きてぞ散り來わが見てあれば二羽とのみ思ひしものを三羽四羽樫鳥ゐたりその紅葉の木に夜に入ると思ひかけぬ烈しい木枯が吹き立つた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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