...ナラ林が四方に紅葉してゐた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...やがてチョコチョコと現われたは少くも口髯(くちひげ)ぐらい生(は)やしてる相当年配の紳士と思いの外なる極めて無邪気な紅顔(こうがん)の美少年で...
内田魯庵 「鴎外博士の追憶」
...それ故論壇では紅葉の態度や硯友社の作風に慊(あきた)らないで忌憚(きたん)のない批評をしても...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...楓と鉤樟とは完全に紅と黄に染まつて居ました...
江南文三 「佐渡が島から」
...三本の小さなカエデが真紅に染まったのを見た...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...秋の紅葉は、叙情詩の題目の一にして、龍田川の紅葉の錦は、龍田姫の織りなす所として、或は秋風の神の賜として、遂に龍田姫を以て、秋風の神とし、紅葉を司る神とするに至りしなり...
高木敏雄 「比較神話学」
...綺麗な女は此方を見て紅い唇を見せてにつと笑つた...
田中貢太郎 「牡蠣船」
...離れのまへには老僧の秘蔵の牡丹の古木があり淡紅のひとへの花びらに芳しい息をふくんでふくらかに花をひらく...
中勘助 「銀の匙」
...どうなるか」板塀の上から枝を出した百日紅の樹を...
中里介山 「大菩薩峠」
...芝に生れた尾崎紅葉とは、二中の時おなじ学校で、紅葉が三田英学校から大学予備門にはいると、二級の時に美妙斎が四級にはいり、旧交があたためられて、二人は文学で立とうという決心をあかし合い、しかも、芝からでは遠いというので、美妙斎の家は、学校に近い駿河台(するがだい)に引越して、紅葉も寄宿し、八畳の室(へや)に、二人が机を並べ、そのうちに、おなじ予備門の学生石橋思案(いしばししあん)も同居し、文壇を風靡(ふうび)した硯友社(けんゆうしゃ)はその三人に、丸岡九華(きゅうか)氏が加わって創立され、『我楽多文庫(がらくたぶんこ)』第一号が出たのは明治十八年五月二日だと考証されている...
長谷川時雨 「田沢稲船」
...紅葉とは違っていた...
長谷川時雨 「田沢稲船」
...彼女の頬の鮮(あざ)やかな紅となつて輝き...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...私の傍に」と紅矢は思わずそこらを見まわしましたが...
夢野久作 「白髪小僧」
...美紅姫があの夢を見たように...
夢野久作 「白髪小僧」
...それから二十年の年月紅色の花にうつろう愁いは...
横光利一 「夜の靴」
...珊瑚紅(さんごこう)から黄金(わうごん)の光へ...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...ぼくたちはレンズを通して馬場の二千メートル標識のスタートに就きかけている紅...
吉川英治 「随筆 新平家」
...しかしガマはこの町に対しても紅海からの貿易やカリカットとの通商を禁じてしまった...
和辻哲郎 「鎖国」
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