...約言すれば、福原の遷都は彼が長所によつて行はれ、彼が短所によつて、破れたりき...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...約言すれば彼は其得意の位置よりして...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...約言すれば藝術家の第一の努力は對象――物...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...他の所有を悦ぶことによつて自己も亦その所有に與かるが如きもの――約言すれば個體的局限を超えたる超個體的の自我が含まれてゐないか...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...瞑想の生活――約言すれば思想の空しきを説いて...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...約言すれば此等の「空」で「呑氣」なものを求めた人達は...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...約言すれば、自由が開放した其勢力が自由の危険なる結果を防止してゐるのである...
エレン・ケイ 伊藤野枝訳 「恋愛と道徳」
...厭世論者の云ふ所を約言すれば...
丘浅次郎 「人類の誇大狂」
...約言すれば国と国とが相争うのは本来の常態であって...
丘浅次郎 「人類の生存競争」
...約言すれば日本貴族的である...
種田山頭火 「行乞記」
...約言すれば比例的平民主義の行われたるは...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...元来彼女は、幸福なるために天賦の才をもっていて、大食であり、怠惰であり、淫蕩(いんとう)であり、クリストフをいやがらせまた面白がらせる無邪気な利己心をそなえていたし、約言すれば、友だちにたいしてではないが、仕合せにもそれをもってる本人にたいして人生を愉快ならしむるところの、ほとんどあらゆる悪徳をもっていたし――(それになお、幸福な顔つきをしていたが、この幸福な顔つきは、少なくともそれがきれいである以上は、すべて近寄る人たちの上に幸福を光被するものである)――かくて生存に満足すべき多くの理由がありはしたけれど、しかし満足するだけの知力さえそなえてはいなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...すなわち約言すれば熱情を冷静に考えよということになる...
新渡戸稲造 「自警録」
...即ち約言すれば、古代希臘の昔から一貫して、叙事詩(エピック)の特色は男性的貴族主義で、抒情詩(リリック)の特色は女性的平民趣味のものであった...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...約言すれば足利時代は京都が日本の唯一の中心となった点において...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...約言すれば西洋人の顔貌には...
堀口九萬一 「東西ほくろ考」
...約言すれば彼女の霊魂(たましひ)の絶え間なき動きを...
堀口九萬一 「東西ほくろ考」
...約言すれば、人間は他の存在と動的雙關的關係に立つてをり、他の存在と人間とは動的雙關的にその存在に於て意味を實現する...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
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