...約言すれば彼等は始めて富の快楽に接したり...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...約言すれば、彼等は遂に彼等対平氏の関係が、根柢より覆されたるを、感ぜざる能はざりき...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...約言すれば、保元平治以前の源氏と保元平治以後の源氏とは其東国に有せる勢力に於て殆ど何等の逕庭をも有せざりし也...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...他の所有を悦ぶことによつて自己も亦その所有に與かるが如きもの――約言すれば個體的局限を超えたる超個體的の自我が含まれてゐないか...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...約言すれば、奉仕の内面的根據は常に對象に對する我等の「愛」でなければならない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...約言すれば自らその「師」を擇んで...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...約言すれば神より愛さるゝのみに滿足せずして...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...約言すればドン・ホアンの生涯は異教の良心を以つてロマンテイシズムの夢を追ふ生涯である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...約言すれば国と国とが相争うのは本来の常態であって...
丘浅次郎 「人類の生存競争」
...それは、約言すれば、同系言語の「統計的密度」の「勾配(こうばい)」(gradient)によって、その系の言語の拡散方向を推定するという方法である...
寺田寅彦 「比較言語学における統計的研究法の可能性について」
...約言すれば科学自身の精神を無視する人でなければならない...
寺田寅彦 「量的と質的と統計的と」
...約言すれば物理学その他物理的科学の系統はユニークであるや否やということである...
寺田寅彦 「ルクレチウスと科学」
...人生を甘からしむる心がけ今まで述べたくだくだしいことを約言すれば...
新渡戸稲造 「自警録」
...約言すればとかくわれわれの忠告なるものには誠意誠心が欠けがちで...
新渡戸稲造 「自警録」
...約言すれば、すべての客観主義的芸術とは、智慧(ちえ)を止揚(しよう)したところの主観表現に外(ほか)ならない...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...約言すれば足利時代は京都が日本の唯一の中心となった点において...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...約言すれば、艶麗の中(うち)にどっか寂しい所のあるのが、ツルゲーネフの詩想である...
二葉亭四迷 「余が翻訳の標準」
...約言すれば工藝美は僅少(きんしょう)な個人的作品の分野を越えて...
柳宗悦 「工藝の道」
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