...人々はその馬を見ると敬意を払うように互にうなずき合って今年の糶(せり)では一番物だと賞(ほ)め合った...
有島武郎 「カインの末裔」
...すっと糶上(せりあが)ったようにね...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...色男が糶出(せりだ)したように見えるか...
泉鏡花 「婦系図」
...仲間の糶市(せりいち)に偶然わたくしの若い時分の手紙が出たからと言つて...
永井荷風 「来訪者」
...三十三両と糶(せ)り上げ...
中里介山 「大菩薩峠」
...「二千円」私はすぐ釣られて糶り上げてしまいました...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...それとも亢奮して際限もなく糶り上げて行く気違いに見えたのか...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...何んと言う不思議な糶市(せりいち)だったでしょう...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...古道具の糶屋(せりや)さんださうで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...仲間の者が寄つて品物を糶(せ)つたんです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...店を並べて肩肌(かたはだ)抜いで唐津の糶(せり)売りしているのを思い出した...
林芙美子 「清貧の書」
......
樋口一葉 「別れ霜」
...そのころまだ安次郎は横山町の島伝という糶呉服屋に勤めていたのであるが...
正岡容 「我が圓朝研究」
...自分でも耐えられずに何か糶(せ)り合うように啼き出すのである...
室生犀星 「懸巣」
...ガスの靴下やメリヤスのシャツの糶売(せりう)り(前同様で一円から四五円まで)...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...うわアリァリァ安か安か安か』と糶(せ)るうちに肩を組んで寄って来た売子の魚屋(やつ)が十尾(コン)一円二十銭で落いたとします...
夢野久作 「近世快人伝」
...「洞白(どうはく)が……洞白が」「えっ!」「糶場(せりば)に出ましたよ...
吉川英治 「江戸三国志」
...面箱は他の糶声(せりごえ)にドンドン値(ね)を争われている...
吉川英治 「江戸三国志」
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