...処がこの精悍な主人は...
芥川龍之介 「上海游記」
...いかにも精悍な感じの中年男で...
石川欣一 「比島投降記」
...勇敢に戦った精悍な帝国軍人と共に...
海野十三 「空襲下の日本」
...頬から上は頭も眼も眼瞼も嘴も嘴の下の毛も皆漆黒(しっこく)で、その黒い中で眼の動いているのがまた美しく、更にその黒に境(さかい)して大きく円い頬がきれいに頬紅をさして毛並美しく頸にかぶさっているのだから、このウソの首だけでも、いかにも山の小鳥らしい、黒じみない、おっとりとしていて、中々精悍な、また紅梅の花にも負けない美麗さと風格とのある鳥だと思った...
高村光太郎 「木彫ウソを作った時」
...敵手が単に無智なるがために精悍なる台湾生蕃の如き土族でなかつたと考へて...
太宰治 「津軽」
...禅坊主めいた精悍な顔が...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...かけ合いが礼儀でない」小兵にして精悍な...
中里介山 「大菩薩峠」
...見たところ柔和なうちに精悍な面魂(つらだましい)と...
中里介山 「大菩薩峠」
...雌豹(めへう)の精悍な美しさは隱れて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...精悍な眼つきをした一人の男...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...精悍な顔付きの鷲鼻(わしばな)...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「真劇シリーズ」
...やゝ疲れた彼を運んで来たのだった!彼は大阪の地区で精悍な仕事をして来た敗北と転向の大波が戦線にのしかゝろうとした時法廷で彼は昂然と皇帝を罵倒した危機の前に彼は屈辱を知らなかった彼は党のために彼の最も貴重な青春の期間を賭けた五年の拷問と苦役が彼のつんつるてんな赤衣からはみ出た長身をけづり立て彼の眼を故郷の鷲のように鋭くした私たちは元気に挨拶を交わしたおゝ...
槇村浩 「同志下司順吉」
...精悍な多くの美点とを持つ土地を知り土地にねばりつく指導的農業労働者の一つの美くしい型だったのだ!僕は久しぶりで砂利だらけの餅を嚥(の)み下しただが...
槇村浩 「餅の歌」
...精悍なそしてやさしい美しさがあります...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...精悍なのですが、輝き出しているものがないというわけです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...その精悍な職工団の一団の前で...
横光利一 「上海」
...ぶるんぶるんと精悍な胴ぶるいをしているような...
横光利一 「旅愁」
...それは決して精悍な体つきではなかった...
和辻哲郎 「漱石の人物」
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