...頬から上は頭も眼も眼瞼も嘴も嘴の下の毛も皆漆黒(しっこく)で、その黒い中で眼の動いているのがまた美しく、更にその黒に境(さかい)して大きく円い頬がきれいに頬紅をさして毛並美しく頸にかぶさっているのだから、このウソの首だけでも、いかにも山の小鳥らしい、黒じみない、おっとりとしていて、中々精悍な、また紅梅の花にも負けない美麗さと風格とのある鳥だと思った...
高村光太郎 「木彫ウソを作った時」
...土佐藩の徒目付(かちめつけ)横山源兵衛の許へ某(ある)日精悍な顔つきをした壮(わか)い男が来た...
田中貢太郎 「義人の姿」
...精悍な体躯をした中年の男で...
野上豊一郎 「闘牛」
...精悍な額から頬へ疵(きず)だらけ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...御苦勞樣で」三十七八の精悍な感じのする好い男で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...精悍な眼つきをした一人の男...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...竜太郎は、精悍な表情で、ピッタリと石壁に背をつけ、ゆっくりとペン・ナイフの刃を起していた...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...吉田磯吉の精悍な顔にも...
火野葦平 「花と龍」
...角ばった精悍な顔に...
火野葦平 「花と龍」
...見るも精悍な美男子です...
牧野信一 「早春のひところ」
...精悍な風姿を持つてゐたので...
牧野信一 「山男と男装の美女」
...精悍なのですが、輝き出しているものがないというわけです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...精悍なからだつきが見られなかった...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...その精悍な職工団の一団の前で...
横光利一 「上海」
...」笑いもせず見返る久慈の精悍な額へ青葉を透した瓦斯灯の光りが鋭く流れた...
横光利一 「旅愁」
...例の負けず嫌いな精悍な眉を上げ...
横光利一 「旅愁」
...まず精悍なる雲霧が...
吉川英治 「江戸三国志」
...それは決して精悍な体つきではなかった...
和辻哲郎 「漱石の人物」
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