...一 机僕は学校を出た年の秋「芋粥(いもがゆ)」といふ短篇を新小説に発表した...
芥川龍之介 「身のまはり」
...猛烈な勢いで粥(かゆ)を啜(すす)り...
太宰治 「ろまん燈籠」
...怪量は無造作に粥を啜(すす)って...
田中貢太郎 「轆轤首」
...夕方、樹明君来庵、茶をのんで、粥をたべて、しばらく話しあつた、君も近来禁酒で(疾病のために)、そして私が怠慢なので(三八九の原稿も書かないから)、何となく不機嫌だつた、私は内心、気の毒やら申訳ないやらで恐縮したことである...
種田山頭火 「其中日記」
...葡萄酒を一杯、鶏卵の卵黄(きみ)を二つ、鶏肉の汁を一椀、粥を少量、それだけ敬助は食べた...
豊島与志雄 「蘇生」
...粥(かゆ)一椀を召上られたから心配御無用...
中里介山 「大菩薩峠」
...私共は町内でも評判の仲の良い父子(おやこ)でございましたよ」「少しばかりの寢酒を止させたり、三度のものも、粥を一膳に、味噌か鹽を嘗めさせて居たといふが――此邊に聞えた大身代の老木屋の隱居が、それで宜かつたのかな」平次は思ひきつて突込みました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...けれど三度三度の私のすすめるお粥(かゆ)...
三浦環 「お蝶夫人」
...燃ゆるほむらの篝火や……」今井 (粥を呑み込みながら)それでは...
三好十郎 「斬られの仙太」
...即ち玄米のお粥というようなものだ」小山が先ず一匙(ひとさじ)を試み「なるほど...
村井弦斎 「食道楽」
...それにあなたがいなくなるとお粥を温めるにも誰がしてくれるか...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...粥は梅干の酸味を吸い出し梅干は程よい味にふっくらと肉づいて...
矢田津世子 「茶粥の記」
...三日は固粥(かたがゆ)や卵や...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...かの女の甘い毒薬は少しずつ朝夕の粥(かゆ)に増されて...
吉川英治 「江戸三国志」
...大施粥の行事には...
吉川英治 「大岡越前」
...食物などは囚人にくれる粥(かゆ)しか与えはしなかった...
吉川英治 「平の将門」
...粥もうまくなって来た...
吉川英治 「平の将門」
...朝夕の食事も粥(かゆ)をつづけ...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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