...粘り気(け)の強い...
有島武郎 「或る女」
...若い尼の顔の上の脂が彼の指先に粘りついたのかもしれない...
魯迅 井上紅梅訳 「阿Q正伝」
...どこまでも粘り強く...
ロバート・ルイス・スティーヴンソン 佐藤緑葉訳 「醫師と旅行鞄の話」
...少しの粘りと臭気のある繊維が...
寺田寅彦 「からすうりの花と蛾」
...耳のなかなどに残った夜の粘りをとったのち最後に両手を...
中勘助 「胆石」
...鈍重で粘り強く、幾度も兵隊生活で制裁を加へられた人間特有の、がつしりした体つきで、直吉は悠然と喋つた...
林芙美子 「瀑布」
...彼の粘りは図に当たって奇跡を起こした...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...さう粘りつよく、血縁に係(かゝは)つてゐてはいけません...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...黴のために粘りついていた...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「マリー・ロジェエの怪事件」
...二人の間に粘り気を失ふことはないと思ふ...
水野仙子 「脱殼」
...楽しい想像でしょう? 私は私式の粘りでこの小さいが愉快な空想を実現するつもりです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...雄々しく粘り強い力を愛し尊ぶ不撓不屈な心のいたすところである」と...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...まだ生々しい血の塊(かた)まりが粘りついている...
夢野久作 「いなか、の、じけん」
...むらむらと舞い立った一団の妖気のような粘りっこい強さには爆かれた水のように力がなかった...
横光利一 「旅愁」
...粘り強い物質がその翼を...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...粘り強い者だけが...
吉川英治 「魚紋」
...奇妙に粘りのあるセルロースの織物の上に筆記ないし印刷され...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「時間からの影」
...粘り強く持ち耐える力があった...
和辻哲郎 「鎖国」
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