...そしていつものとおり一種の粘り強さをもって葉子の言伝(ことづ)てを取り次ぐ岡に対して...
有島武郎 「或る女」
...指に粘りついた飯粒を落とした...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...しかし父はその持ち前の熱心と粘り気とを武器にしてひた押しに押して行った...
有島武郎 「親子」
...四ツの髯の粘り加減は...
泉鏡花 「婦系図」
...底の方に向つて粘りついてゐるのだ...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...「サイダー」は甘味があり粘りがあって極めて不味(ふみ)だ...
大下藤次郎 「白峰の麓」
...着物の裾が汗ばんだ両脛(りょうはぎ)へ粘り着いた為めに...
谷崎潤一郎 「恐怖」
...少しの粘りと臭気のある繊維が...
寺田寅彦 「からすうりの花と蛾」
...この粘り強い生命の根はしっかりと互いにからみ合って...
寺田寅彦 「芝刈り」
...生温(なまあったか)い粘り気のある唇でちゅっちゅっと吸った...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...今日では餅に粘り気の多い糯米を用いるからそんな繋ぎは入用がないようだが...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...この義太夫の地にありさうなねつい太い声は全く春団治特有のもので、谷崎潤一郎氏も「私の見た大阪及び大阪人」の中で、『悪く底力のある、濁つた、破れた、太い、粘り強い、映画説明者や浪花節語りのそれを想はせる声』と曾我廼家五郎の「声」を評した後で『落語の春団治などもあの地響きある声を出す』と云つてゐられる...
正岡容 「初代桂春団治研究」
...粘りのないことに関する...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...粘りづよく強引に...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...丁寧にかきまわしたのでは粘りが出て...
矢田津世子 「茶粥の記」
...むらむらと舞い立った一団の妖気のような粘りっこい強さには爆かれた水のように力がなかった...
横光利一 「旅愁」
...御方の粘りづよい...
吉川英治 「剣難女難」
...助右のこの粘り方には...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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