...底の方に向つて粘りついてゐるのだ...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...膠(にかわ)のような水が指先に粘りつき...
魯迅 井上紅梅訳 「明日」
...執拗く下駄の歯に粘り着いて歩くのも相応に骨だが...
谷崎潤一郎 「The Affair of Two Watches」
...少しの粘りと臭気のある繊維が...
寺田寅彦 「烏瓜の花と蛾」
...すべてアングロ=サクソン特有の粘り強さをもって乗り越えられた...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...額には粘り気のある汗が出ていた...
豊島与志雄 「二つの途」
...柔らかくて、濡れて、粘り気があり、臭いので、ヒューバート医師が顔をそむけて言った...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「死の土壌」
...この義太夫の地にありさうなねつい太い声は全く春団治特有のもので、谷崎潤一郎氏も「私の見た大阪及び大阪人」の中で、『悪く底力のある、濁つた、破れた、太い、粘り強い、映画説明者や浪花節語りのそれを想はせる声』と曾我廼家五郎の「声」を評した後で『落語の春団治などもあの地響きある声を出す』と云つてゐられる...
正岡容 「初代桂春団治研究」
...もっと粘りっ気のある...
三田村鳶魚 「話に聞いた近藤勇」
...その皮粘りありて紙をすくに用ゆ...
南方熊楠 「十二支考」
...粘りづよく現実に...
宮本百合子 「偽りのない文化を」
...この粘りづよいソヴェトの田舎教師がトポーロフである...
宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
...いつもこの全く生理的な体力の粘りのよわさが感じられ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...かくして君の白い両掌は常に生生しい鮮血の粘りを滴たらしてゐた...
室生犀星 「愛の詩集」
...粘り附き絡み附き放さず...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...丁寧にかきまわしたのでは粘りが出て...
矢田津世子 「茶粥の記」
...根から得る透明な粘り強いその液が...
柳宗悦 「和紙の美」
...粘り付いているであろう血の痕跡(あと)を想像しながら...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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