...粘り強い根気でどうかして山をそのまま君の画帖(がじょう)の中に生かし込もうとする...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...地の見えぬまで粘りつく...
大下藤次郎 「白峰の麓」
...少しの粘りと臭気のある繊維が...
寺田寅彦 「からすうりの花と蛾」
...三粘りっ気の多い緊りの少い...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...鈍重で粘り強く、幾度も兵隊生活で制裁を加へられた人間特有の、がつしりした体つきで、直吉は悠然と喋つた...
林芙美子 「瀑布」
...「この粘り加減では...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...さう粘りつよく、血縁に係(かゝは)つてゐてはいけません...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...柔らかくて、濡れて、粘り気があり、臭いので、ヒューバート医師が顔をそむけて言った...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「死の土壌」
...もっと粘りっ気のある...
三田村鳶魚 「話に聞いた近藤勇」
...無産階級の芸術運動と旧文壇とは互にゆずることのない粘りづよさで対立した...
宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第六巻)」
...生活の日常性の粘りのつよさということも新しくおどろきます...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...雄々しく粘り強い力を愛し尊ぶ不撓不屈な心のいたすところである」と...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...(c)ことに彼らの自信のうちにいささかの粘りづよさがあるならば申分なしである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...どこやら粘りつくような...
山本周五郎 「新潮記」
...ブラシに粘り付いたのと一緒に指先で丸めて...
夢野久作 「けむりを吐かぬ煙突」
...数限りなく粘り付いているが...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...粘り強い物質がその翼を...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...なんであの眼の蔭でお息女(むすめ)にそんな……』草履(ぞうり)の裏に粘りつく黒土によろめきながら...
吉川英治 「御鷹」
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