...永井君の性質が外は極めて柔でありながら内は正反對の剛で粘靱性に富んで居るのに眼を瞠り出した...
生田葵山 「永井荷風といふ男」
...年中變らぬ稗勝(ひえがち)の飯に粘氣(ねばりけ)がなく...
石川啄木 「二筋の血」
...切(せ)めて山本伯の九牛一毛(きゅうぎゅういちもう)なりとも功名心があり、粘着力があり、利慾心があり、かつその上に今少し鉄面皮(てつめんぴ)であったなら、恐らく二葉亭は二葉亭四迷だけで一生を終らなかったであろう...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...監督は防火扉の隙間に塗りこめる粘土をとりに駈けだして行った...
大阪圭吉 「坑鬼」
...粘土質の断崖があって...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「追放されて」
...九谷の村から粘土をとり寄せて熱心に旗上げをしたのであるが...
中谷宇吉郎 「九谷焼」
...それでこの赤粘土について詳細に研究をした...
中谷宇吉郎 「黒い月の世界」
...皮膚に粘土を塗って冷えや昆虫にたいして防ぎ...
マクス・ノイバーガー Max Neuburger 水上茂樹訳 「医学の歴史」
...また濕(しめ)つた粘土(ねんど)が火(ひ)の傍(そば)に置(お)かれると...
濱田青陵 「博物館」
......
エドゥアール・エルネ・プリリュー Edouard Ernest Prillieu 竹本周平訳 「Rosellinia necatrix (R. Hart.) Berlese の子嚢殻の裂開性について」
...見るからに粘ばつくような水が...
本庄陸男 「石狩川」
...その頭あるいは背に着けて来た花粉を今度は丁度その虫の頭の上へ差し出ている粘り気ある柱頭へ自然に触れてそれへ附着さすのである...
牧野富太郎 「植物記」
...持って来た花粉がそれに粘着(ねんちゃく)する...
牧野富太郎 「植物知識」
...その粘土は西と東の山地から...
宮沢賢治 「イギリス海岸」
...楽しい想像でしょう? 私は私式の粘りでこの小さいが愉快な空想を実現するつもりです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...蜂蜜のように粘(ねば)る手や...
吉川英治 「宮本武蔵」
...火の粘土(ねんど)を踏むようだった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...それまではそう身近に知らなかった粘液感を伴う匂いなどに知らず知らず敏感になっていた...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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