...それが始の中は余程粘り気のあるものゝやうに...
芥川龍之介 「地獄変」
...だんだんに粘(ねば)ってきてしまいました...
上村松園 「画筆に生きる五十年」
...焔は飴(あめ)のように粘(ねば)っこく燃え上った...
梅崎春生 「桜島」
...ハッハッと云う犬の様な呼吸、一種異様の体臭、そして、ヌメヌメと滑かな、熱い粘膜が、私の唇を探して、蛭(ひる)の様に、顔中を這い廻った...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...その自然は柔(やわら)かき粘土の如く作者の手の赴(おもむ)くままに形を成すものである...
高浜虚子 「俳句への道」
...毒水を被つた方のは粉に粘力が無くなつて...
田中正造 「公益に有害の鑛業を停止せざる儀に付質問書」
...歯ぐきから膓(はらわた)の底へ沁(し)み徹(とお)る冷(つ)めたさを喜びつつ甘い粘(ねば)っこいの実を貪(むさぼ)るように二つまで食べた...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...そして他の新らしい粘土が加えられなければならない...
種田山頭火 「砕けた瓦」
...まだ粘質の糞は、日光に白く光りながら、長く伸び、曲線を画いて、緑葉の中に没していった...
豊島与志雄 「自由人」
...粘土中の他の微量元素とによるものであるとすれば...
中谷宇吉郎 「黒い月の世界」
...粘(ねば)つて居たところで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...甚助は粘土色の町筋をぼんやり見やっていた...
本庄陸男 「石狩川」
...粘液その他必要の液を尽(ことごと)く供給し...
村井弦斎 「食道楽」
...御方の粘りづよい...
吉川英治 「剣難女難」
...さいごの粘(ねば)りになって...
吉川英治 「新書太閤記」
...粘土(こねつち)で仏陀(ぶっだ)の像を作っていたということが...
吉川英治 「親鸞」
...やがて武蔵の肌はねっとりと粘(ねば)ってきた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...自分が奇妙な痕跡を見出した始生代の粘板岩の鉱脈を取り戻すためには...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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