...蓬頭粗服の三人、旅に優待せられたる例しなきこととて、互に顏見合せて、これは/\と打驚く...
大町桂月 「鹽原新七不思議」
...とんだ粗相をいたして...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...彼が密(ひそ)かに一挺(いっちょう)の三味線を手に入れようとして主家から給される時々の手あてや使い先で貰(もら)う祝儀(しゅうぎ)などを貯金し出したのは十四歳の暮(くれ)であって翌年の夏ようよう粗末(そまつ)な稽古三味線を買い求めると番頭に見咎(みとが)められぬように棹(さお)と胴(どう)とを別々に天井裏(てんじょううら)の寝部屋(ねべや)へ持ち込み...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...棚や煖炉(だんろ)の上には粗製の漆器や九谷焼(くたにやき)などが並べてある...
寺田寅彦 「異郷」
...それは愛情もなく無恥粗暴な態度で...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...事務が粗漏でそして怠慢...
豊島与志雄 「悲しい誤解」
...づう/\しく(それが自然への恭順だ)粗野な常識を尚び...
中島敦 「かめれおん日記」
...目の極めて粗い乱暴な網である...
中谷宇吉郎 「大謀網」
...先刻の松坂木綿(まつざかもめん)らしい粗末な綿入れを着た娘とは似も付かぬ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...身扮(みなり)は恐ろしく粗末で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...粗雑な現しではなく...
柳宗悦 「民藝四十年」
...ヘエ……粗茶で御座いますが一服いかが様で……ドウゾごゆっくり……...
夢野久作 「悪魔祈祷書」
...今日の婦人に軽佻とも粗野とも見える言動のあるのは...
与謝野晶子 「「女らしさ」とは何か」
...相変らず粗暴な男ではある...
吉川英治 「三国志」
...粗献(そこん)を用意して参りました』次郎左衛門が...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...粗相にはするな...
吉川英治 「平の将門」
...粗末ながらこの一面の琵琶を砕いて...
吉川英治 「宮本武蔵」
...粗生生産物の消費者の負担する所となる...
デイヴィド・リカアドウ David Ricardo 吉田秀夫訳 「経済学及び課税の諸原理」
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