...外側に粗末な板の鎧戸がかけてあった...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...如何にも粗笨(そほん)で浅薄です...
伊藤野枝 「新らしき婦人の男性観」
...最も粗暴なる生活を取り...
関寛 「関牧塲創業記事」
...粗忽(そそっか)しい人間が見たら...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...家具もごくお粗末(そまつ)で」「そう」と...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...今までうちで粗末な器械でやっていたのはレコードに対する虐待であった事に気がついた...
寺田寅彦 「蓄音機」
...御粗末ながら棺箱の中へ納めて置くというところに幾分の殊勝さがある...
中里介山 「大菩薩峠」
...至つて粗末な樣子をして居りますが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...至って粗末な半纒に...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...そのほか多く上総戸(かずさど)と称する粗末なる雨戸となして東京へ出す事一...
正岡子規 「病牀六尺」
...美から云っても粗末だというのは...
柳宗悦 「民藝とは何か」
...とかくに生まれる子を粗末にした...
柳田国男 「山の人生」
...粗衣粗食でつねに養生を怠らなかった...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...それではアンマリ……生命をお粗末に……」「まあお聞き下さい...
夢野久作 「女坑主」
...つい粗相をば」「そんなこと...
吉川英治 「私本太平記」
...永代粗略にはせぬ...
吉川英治 「新書太閤記」
...小麦色の粗(あら)い皮膚...
吉川英治 「平の将門」
...……はて?」思い出せない顔すると、大助は佐渡のその眉を仰いで、「もはや父が、疾(と)くに捨て去りました名にござりますが、関ヶ原の戦いまでは、真田左衛門佐(さなださえもんのすけ)と名乗りおりました者で」「やあ?」と、愕然(がくぜん)、「では真田殿――あの幸村(ゆきむら)殿のことか」「はい」「其許は御子息か」「はい……」と、大助は、その逞しい体に似合わず、はじらい顔に、「けさほど、父の住居(すまい)へ、ふと立寄りました青巌寺の坊さまのおうわさに、ご登山のよしを知り、ご微行(びこう)とは伺いましたなれど、他ならぬお方のたまたまなご通過――それに道とてもこの麓(ふもと)のお通りがかり、何も、おもてなしはござりませぬが柴の門べで、粗茶一ぷく、さし上げたいと父が申しまする...
吉川英治 「宮本武蔵」
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