...子供等も重荷を負ふて秋の雨籬(かき)の豆赤さ走りぬいざ摘まん稲刈りて残る案山子(かがし)や棒の尖(さき)十月五日 小諸俳人小会...
高浜虚子 「六百句」
...しかし渓流が処々に山村を点綴して、白堊の土蔵あり、田舎籬落あり、時にはトンネル、時には渓橋、時には飛瀑、時には奇岩といふ風に、行くままに、進むままにさながら文人画の絵巻でも繙くやうに、次第にあらはれて来るさまは、優に天下の名山水の一つとして数ふるに足りはしないか...
田山花袋 「耶馬渓の一夜」
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坪井正五郎 「コロボックル北海道に住みしなるべし」
...墓の生籬の刈り込みの工合などを見調べ...
豊島与志雄 「未亡人」
...電車通りから生籬の多い閑静な小路がU形に奥にはいっていた...
豊島与志雄 「掠奪せられたる男」
...籬(まがき)で囲まれ井戸のついてる一つの庭を得たのである...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...ただ生籬(いけがき)一重でへだてられてるばかりだった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...籬(まがき)越しに財布を投げ込んで...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...代(よ)が崎(さき)を過ぎて塩竈の杉の稍が遙かに見えて籬が島が舳にあらはれた時には船体の動搖は止んだ...
長塚節 「旅の日記」
...鶯(うぐいす)のあちこちとするや小家(こいえ)がち「籬落(りらく)」という題がつけてある...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...折しもお蘭さま籬の菊に日映りのをかしきを御覽じけるほど成りしが...
一葉 「暗夜」
...籬はといへば、きまつて誰も彼もが外へ出るとき、犬除(いぬよ)けの杖を持つて出ずに、教父(クーム)の家の菜園を通りすがりに手頃の杭を引つこ抜くものだから、ほんの残骸を留めてゐるに過ぎなかつた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...再びその生籬に戻つてきて...
堀辰雄 「巣立ち」
...この一種にラカンマキというものがあってよく海に近い地の人家の生籬とし...
牧野富太郎 「植物記」
...しかして往々籬(まがき)となせり...
牧野富太郎 「植物記」
...皆松枝(まつがえ)青葉を束(つかね)て樊籬屋店(はんりをくてん)を作る...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...「籬連僧寺杉陰老...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...生籬(いけがき)に添って行く...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
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