...簪(かんざし)の花も萎(しぼ)みたる流罪(るざい)の天女(てんにょ)憐(あわれ)むべし...
泉鏡花 「海城発電」
...また赤(あか)い簪(かんざし)のふさは...
竹久夢二 「桜さく島」
...そのお人形さんの簪だなんて...
太宰治 「お伽草紙」
...此の代表的の『坊さん簪』のを最後にヨサコイ手拭は十五種で一段落とした...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...先の尖った大きな鼈甲の簪が細かく震えているのが...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...父は姉たちへのお土産に幾本かの簪と...
中勘助 「銀の匙」
...張園の木(こ)の間(ま)に桂花を簪(かざし)にした支那美人が幾輛となく馬車を走らせる光景...
永井荷風 「十九の秋」
...この簪をわたくしに……」思いがけないものを出されたから...
中里介山 「大菩薩峠」
...眼に突っ立てた銀簪は...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...薄月に閃めく銀簪...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...(七月×日)坊さん簪(かんざし)買うと云うた……窓の下を人夫たちが土佐節を唄いながら通って行く...
林芙美子 「新版 放浪記」
...眠りにおちるとともに、とりとめのない疑念は消え、もうすっかり忘れていたが、花簪を見るなり、また思いだした...
久生十蘭 「海豹島」
...どうした拍子か簪が落ちた...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...自分が等々力の妻君から貰ったという紫水晶の簪(かんざし)を見せびらかしつつ...
夢野久作 「二重心臓」
...糸房(いとぶさ)の附いた大きい簪(かんざし)を挿して居る...
與謝野寛 「蓬生」
...髪にも色気狂いのような釵子(さいし)やら簪(かんざし)やら挿して...
吉川英治 「新・水滸伝」
...金簪(きんさん)瑶々(ようよう)と立って行った...
吉川英治 「新・水滸伝」
...『――簪(かんざし)くださいな...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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