...何という名だか園は知らなかった)の根にさした銀の平打の簪(かんざし)を抜いて...
有島武郎 「星座」
...花簪を弄(いぢく)つたが...
石川啄木 「二筋の血」
...阿母さんが簪を呉れて賺(すか)したのであらうと想像して...
石川啄木 「二筋の血」
...」簪(かんざし)を挿込むと...
泉鏡花 「薄紅梅」
...簪(かんざし)の耳掻(みみかき)ほどの草の花冬の空少し濁りしかと思ふ十一月十二日 句謡会...
高浜虚子 「六百句」
...此の代表的の『坊さん簪』のを最後にヨサコイ手拭は十五種で一段落とした...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...父親に町で買ってもらった花簪(はなかんざし)などを大事そうに頭髪(あたま)にさしていた...
徳田秋声 「足迹」
...だから其花を折って簪(かんざし)にしたのだ...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...その簪のために泣かねばならなくなりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...薄月に閃(ひらめ)く銀簪...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...根下(ねさが)りの丸髷に大きな珊瑚珠(さんごじゅ)の簪(かんざし)を挿し...
長谷川時雨 「最初の外国保険詐欺」
...蝶々髷(まげ)にさした花簪(かんざし)で頭を掻(か)きながら...
長谷川時雨 「神田附木店」
...(扱帯(しごき)に櫛簪を結びつける)茂兵衛 へえ...
長谷川伸 「一本刀土俵入 二幕五場」
...ヨシツネさんはつまみ細工の小さい簪(かんざし)を一つ買ってくれた...
林芙美子 「新版 放浪記」
...平打(ひらうち)の銀簪(ぎんかん)一(ひと)つ淡泊(あつさり)と遊(あそ)ばして學校(がくかう)がよひのお姿(すがた)今(いま)も目(め)に殘(のこ)りて...
樋口一葉 「うつせみ」
...ましてやこの大島田に折ふしは時好(じこう)の花簪(はなかんざし)さしひらめかしてお客を捉(と)らへて串談(じようだん)いふ処を聞かば子心には悲しくも思ふべし...
樋口一葉 「にごりえ」
...土間の花簪と柱暦に巻き込まれていた女の髪の毛から始まったことだった...
久生十蘭 「海豹島」
...ほかの落語家がヤレ簪(かんざし)だソレ櫛だとあの子の気に入りそうなものを買ってきては御機嫌をとるなかで...
正岡容 「圓太郎馬車」
便利!手書き漢字入力検索