...父親に町で買ってもらった花簪(はなかんざし)などを大事そうに頭髪(あたま)にさしていた...
徳田秋声 「足迹」
...子供に簪(かんざし)の一本も買ってやればいい...
徳田秋声 「足迹」
...だから其花を折って簪(かんざし)にしたのだ...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...」とばかり前髪から滑り落ちる簪(かんざし)もそのままにひたすら額(ひたい)を畳へ摺付(すりつ)けていた...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...竜之助はその簪を持って京都まで上って行ったはずであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...卯平(うへい)はお品(しな)が死(し)んで三年目(ねんめ)の盆(ぼん)に來(き)た時(とき)不器用(ぶきよう)な容子(ようす)の彼(かれ)がどうして思(おも)ひついたかおつぎへ花簪(はなかんざし)を一つ買(か)つて來(き)た...
長塚節 「土」
...きら/\と光るのは花簪である...
長塚節 「菜の花」
...簪をさした蛇とは...
中谷宇吉郎 「簪を挿した蛇」
...春は――平打(ひらうち)の銀簪(ぎんかん)を畳の上に落したまま...
夏目漱石 「虞美人草」
...眼に突っ立てた銀簪は...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...覚え帳を盗んだ上に照れ隠しに銀簪の曲者の手掛りを聞いて行った...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...俺のは女房の銀簪(ぎんかんざし)をかりて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...簪(かんざし)のやうなもので突いたさうです」「可哀想に」二人は足を早めて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...簪玉(かんざしだま)位な真紅の美しい実のなる木もあった...
宮島資夫 「四谷、赤坂」
...簪をまくらに娘はやすみます...
室生犀星 「末野女」
...その上に飛ぶ金銀の蝶々を花簪(かんざし)に使う針金で浮かしてヒラヒラと動くようにして帯の唐草模様を絵刳(えく)り込(こ)みにした...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...剣の簪(かんざし)をむすび...
吉川英治 「三国志」
...――みな頭巾や冠(かんむり)のはしにこの日は“翠葉花(すいようか)”という簪(かざし)を挿(さ)していたからである...
吉川英治 「新・水滸伝」
便利!手書き漢字入力検索