...まるで野戦病院のそれのやうに簡素な寝台のうへに俯伏(うつぶ)しながら...
犬養健 「亜剌比亜人エルアフイ」
...長い間かかつて磨かれた簡素な象徴的なもので...
薄田泣菫 「独楽園」
...茶人がその簡素な趣味生活の享楽を一(ひとわん)の茶とともに飽喫しようとするには...
薄田泣菫 「侘助椿」
...長い間かかつて磨かれた簡素な象徴的なもので...
薄田泣菫 「侘助椿」
...卓布が置いてなかつたので小ざつぱりとした簡素な印象を與へた...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...死後そのままここに移したもので、窓かけも椅子も敷物も茶っぽい緑の一色、簡素な部屋だ...
谷譲次 「踊る地平線」
...簡素な日本趣味がありがたかつた...
種田山頭火 「行乞記」
...簡素な感じの室で...
豊島与志雄 「白木蓮」
...シューベルトらしい簡素な魅力を湛(たた)えたものだが...
野村胡堂 「楽聖物語」
...素(もと)より簡素な食事で...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...中は仏間と居間と台所だけの簡素な造りで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...思ひの外に簡素なもので...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...羊毛の毛氈を敷いた臥牀と(カン)の焚口がついているだけの簡素なものである...
久生十蘭 「新西遊記」
...清逸の気にみちた簡素な空間に荘重な彩(いろど)りをあたえていた...
久生十蘭 「西林図」
...なおこれを民間新嘗の簡素なる一つの型として...
柳田国男 「海上の道」
...簡素な満足に浸っているのであろうか...
横光利一 「欧洲紀行」
...一つは地中海の文化の中心を造っているスフィンクスの白々しい微笑と簡素な伊勢大廟の鳥居とである...
横光利一 「スフィンクス(覚書)」
...そうしてガンダーラ地方の簡素な芸術の方が...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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