...彼の禁欲的な簡素な生活は十二分の享受のための前提であり準備である...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...いつそ簡素な田舎(ゐなか)ぐらしに隠遁したやうな気持で悠々自適してゐた方がよかつたなぞと考へた...
武田麟太郎 「現代詩」
...死後そのままここに移したもので、窓かけも椅子も敷物も茶っぽい緑の一色、簡素な部屋だ...
谷譲次 「踊る地平線」
...都市の華麗でしかも簡素な衣裳をまとい...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...まだごく簡素な調度品が備えてあるきりで...
豊島与志雄 「非情の愛」
...司教の寝室は寝室としてこの上もなく簡素なものであった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...其時代に興れる宗教思想も簡素なる地方武士の生活に相應せる者となり...
内藤湖南 「日本の肖像畫と鎌倉時代」
...ピアノ・ソナタモーツァルトの簡素なピアノ・ソナタは楽しい限りだが...
野村胡堂 「楽聖物語」
...私は今は簡素な生活がしたいわ...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...緑色の鎧扉のある簡素な別荘に引退して...
堀口九萬一 「フランソア・コッペ訪問記」
...そして彼らは簡素な食物でその家族を十分に養い得るかもしれないけれども...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...ごく簡素な装釘です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...ことさら簡素なふうをして出かけたのである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...「人はここに物柔らかな・心地よい・自然簡素な・言葉づかいと...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...簡素な器で茶を立てた時...
柳宗悦 「工藝の道」
...師を訪うて来る人もない」という只圓翁の簡素な手記の中には...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...はっきりした簡素な庭を見せられますと...
横光利一 「旅愁」
...この簡素な太い力の間を縫う細やかな曲線と色との豊富微妙な伴奏は...
和辻哲郎 「偶像崇拝の心理」
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