...日本の普通の家屋の内部はその装飾の配合が極端に簡素なため...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...剛健な習慣と簡素な欲望...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...淡緑色の簡素なスーツをつけ...
豊島与志雄 「憑きもの」
...それはただ簡素な事務に過ぎない...
豊島与志雄 「道化役」
...其時代に興れる宗教思想も簡素なる地方武士の生活に相應せる者となり...
内藤湖南 「日本の肖像畫と鎌倉時代」
...プロ・アルテの簡素な趣との食い違いから生ずる...
野村胡堂 「楽聖物語」
...簡素な木造の、何処(どこ)か瑞西(スイス)の寒村にでもありそうな、朴訥(ぼくとつ)な美しさに富んだ、何ともいえず好い感じのする建物である...
堀辰雄 「木の十字架」
...そういう山のなかの簡素な暮らしを好んでいるようにさえ見えた...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...緑色の鎧扉のある簡素な別荘に引退して...
堀口九萬一 「フランソア・コッペ訪問記」
...簡素な健康な合理的な娯楽が飲酒や賭博や放逸にとって代ることとなる...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...分相応に――簡素な貸間や安下宿で暮していた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...黒と銀の簡素な仕着(しきせ)を着た召使が一人...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...なおこれを民間新嘗の簡素なる一つの型として...
柳田国男 「海上の道」
...――床間にはなにがし禅師の書の軸が懸けてあるだけ、襖も銀鼠の無地で、飾りらしい道具はなにもなく、いかにも簡素な、おちついた座敷であった...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...はっきりした簡素な庭を見せられますと...
横光利一 「旅愁」
...簡素な十徳(じっとく)を着ていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...簡素な一草庵を建て...
吉川英治 「宮本武蔵」
...この簡素な太い力の間を縫う細やかな曲線と色との豊富微妙な伴奏は...
和辻哲郎 「偶像崇拝の心理」
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