...いつそ簡素な田舎(ゐなか)ぐらしに隠遁したやうな気持で悠々自適してゐた方がよかつたなぞと考へた...
武田麟太郎 「現代詩」
...簡素な日本趣味がありがたかつた...
種田山頭火 「行乞記」
...司教の寝室は寝室としてこの上もなく簡素なものであった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...何ら特別の装飾などのない簡素なお部屋であった...
中谷宇吉郎 「雪今昔物語」
...シューベルトらしい簡素な魅力を湛(たた)えたものだが...
野村胡堂 「楽聖物語」
...この楽器による古朴(こぼく)な模写音楽の簡素な美しさは...
野村胡堂 「楽聖物語」
...羊毛の毛氈を敷いた臥牀と(カン)の焚口がついているだけの簡素なものである...
久生十蘭 「新西遊記」
...そういう山のなかの簡素な暮らしを好んでいるようにさえ見えた...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...分相応に――簡素な貸間や安下宿で暮していた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...簡素ななりをした男で...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...ごく簡素な装釘です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...今日は車も簡素なのにして目だたせない用意がしてあって...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...鉄で簡素な紋様をあしらい...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...自然なもの、素直なもの、簡素なもの、丈夫なもの、安全なもの、それが民藝の特色なのです...
柳宗悦 「民藝四十年」
...一つは地中海の文化の中心を造っているスフィンクスの白々しい微笑と簡素な伊勢大廟の鳥居とである...
横光利一 「スフィンクス(覚書)」
...その簡素な生活にも見ることができる...
吉川英治 「三国志」
...いとも簡素なもの...
吉川英治 「随筆 新平家」
...あの簡素な構造をもってして...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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