...卓布が置いてなかつたので小ざつぱりとした簡素な印象を與へた...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...死後そのままここに移したもので、窓かけも椅子も敷物も茶っぽい緑の一色、簡素な部屋だ...
谷譲次 「踊る地平線」
...そこの座敷は簡素な造りであったが...
近松秋江 「黒髪」
...都市の華麗でしかも簡素な衣裳をまとい...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...司教の寝室は寝室としてこの上もなく簡素なものであった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...何ら特別の装飾などのない簡素なお部屋であった...
中谷宇吉郎 「雪今昔物語」
...ピアノ・ソナタモーツァルトの簡素なピアノ・ソナタは楽しい限りだが...
野村胡堂 「楽聖物語」
...至つて簡素な佛壇で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...応接室とは見えなかったが、簡素な、茶を呑むに格好な造りだった...
橋本五郎 「自殺を買う話」
...簡素な木造の、何処(どこ)か瑞西(スイス)の寒村にでもありそうな、朴訥(ぼくとつ)な美しさに富んだ、何ともいえず好い感じのする建物である...
堀辰雄 「木の十字架」
...簡素な結婚指環のほかにはなんの飾りもない...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...簡素な短篇を得意とする久保田君には似もやらず...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...簡素なたのしみもそこに青春の男女があれば...
宮本百合子 「悔なき青春を」
...昔の小説家が主観的な力(りき)みで、そういう箇(ママ)性の範囲での闊達さに到達した、そういうのではない内容での闊達さ、美、簡素な力、そういうものが本当に欲しい...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...鉄で簡素な紋様をあしらい...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...その簡素な様子も...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...生まれつき簡素な物資のみを必要としていたので...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...中尊における簡素な調和は左右には認められない...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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