...この簡素な舞台を見て非常にいい心もちがした...
芥川龍之介 「野呂松人形」
...日本の普通の家屋の内部はその装飾の配合が極端に簡素なため...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...茶人がその簡素な趣味生活の享楽を一(ひとわん)の茶とともに飽喫しようとするには...
薄田泣菫 「侘助椿」
...われわれは「簡素な生活...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...そういう簡素な洋装が見られる...
豊島与志雄 「風俗時評」
...簡素なテューダー王朝時代の田舎家の室をいかにも居心地よく感じて...
野上豊一郎 「シェイクスピアの郷里」
...この楽器による古朴(こぼく)な模写音楽の簡素な美しさは...
野村胡堂 「楽聖物語」
...団欒(だんらん)の興を添える簡素な音楽として誰にでも喜ばれよう...
野村胡堂 「楽聖物語」
...素(もと)より簡素な食事で...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...簡素な調度を照らして居ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...清逸の気にみちた簡素な空間に荘重な彩(いろど)りをあたえていた...
久生十蘭 「西林図」
...簡素な木造の、何処(どこ)か瑞西(スイス)の寒村にでもありそうな、朴訥(ぼくとつ)な美しさに富んだ、何ともいえず好い感じのする建物である...
堀辰雄 「木の十字架」
...山合ひの木立にかこまれた最も簡素な――その幾つかの棟は槌と鋸を渡されたならば私にでも建てることが出来さうなその程度の...
牧野信一 「ピエル・フオン訪問記」
...ごく簡素な清潔な感覚で...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...ことさら簡素なふうをして出かけたのである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...貧しい簡素な生活よりできないのはほかにもあることだから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...かえって飽きない簡素な味があろう...
柳宗悦 「苗代川の黒物」
...至極簡素な夕食を共にした...
吉川英治 「新書太閤記」
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