...被害民たちは簗(やな)に捕えられた魚同然である...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...砧盤(きぬたばん)あり差出(さしいだ)す灯の下に山河こゝに集(あつま)り来(きた)り下り簗(やな)九月二十二日 丸之内倶楽部俳句会...
高浜虚子 「五百五十句」
...礎(いしずえ)の下の豆菊這(は)ひ出でて崩簗(くずれやな)水徒(いたず)らに激しをり十月二十八日 丸之内倶楽部俳句会...
高浜虚子 「六百句」
...蓼圃の兩氏と揖斐川の上流に鮎簗を見る揖斐川は鮎の名どころ揖斐人の大簗かけて秋の瀬に待つ揖斐川の簗落つる水はたぎつ瀬ととゞろに碎け川の瀬に落つ十九日...
長塚節 「長塚節歌集 中」
......
長塚節 「長塚節歌集 中」
...僕は簗一本をまるまる食い尽くす蛆虫を連想してしまうんです」「それだよ...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...簗(やな)をつくってかいぼりするよりほかないようね」水はせいぜい膝がしらぐらいの深さしかないが...
久生十蘭 「キャラコさん」
...その岩と岩との間を簗(やな)でふさいでゆけば...
久生十蘭 「キャラコさん」
...簗(やな)を張り終えると...
久生十蘭 「キャラコさん」
...簗(やな)などに便利な場所を意味しているらしい...
柳田國男 「地名の研究」
...簗(やな)で捕ることや...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...簗は合流点に掛けてあり...
山本周五郎 「若き日の摂津守」
...簗(やな)の上で跳(は)ねる銀の魚(うを)のやうに...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...ゆうべも寝た河原の簗小屋(やなごや)の内で長嘆していた...
吉川英治 「私本太平記」
...明けかけている」簗小屋を這い出すなり高徳は息をつめて畷(なわて)の方を凝視した...
吉川英治 「私本太平記」
...簗舟(やなぶね)であろう...
吉川英治 「新書太閤記」
...簗は山と山の相迫った深い峡谷に在った...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...時雨降る野口の簗の小屋に籠り落ち来る鮎を待てばさびしきたそがれの小暗き闇に時雨降り簗にしらじら落つる鮎おほし簗の簀の古りてあやふしわがあたり鮎しらじらととび跳りつつかき撓み白う光りて流れ落つる浪より飛びて跳ぬる鮎これおほきなる鯉落ちたりとおらび寄る時雨降るなかの簗の篝火翌朝は三人に別れて雨の中を船津町へ向った...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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