...縄を腰簑(こしみの)のように垂らした人夫が丸太棒の上からゾロリゾロリと下りてくるのが見られた...
海野十三 「雷」
...簑虫も実は鳴かない虫の一つだとのことだつた...
薄田泣菫 「独楽園」
...ふいと思い出すのは猿簑(さるみの)の中にある「夏の月」である...
太宰治 「天狗」
...「簑(みの)と傘とがもの語り行く」道のほとりに...
辰野隆 「雨の日」
...何時でも出発できるように簑笠まで用意して...
田中貢太郎 「魔王物語」
...□簑虫よ、簑虫よ...
種田山頭火 「其中日記」
...簑村と有野は、各自(てんで)に頭の中で考へてゐる事を、とんちんかんに口先で話し合つては、又自分の勝手な話題の方へ相手を引つ張つてゆかうとしてゐた...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...その先の方は簑の尾の尖端から下へ一寸(すん)ほども突き出て不恰好に反りかえっていた...
寺田寅彦 「小さな出来事」
...ともかくもこの干(ひ)からびた簑を透して中に隠れた生命の断片を想像するのは困難なように思われた...
寺田寅彦 「小さな出来事」
...この簑虫の心持だけはどうしても分らない...
寺田寅彦 「小さな出来事」
...竹はまた「暮春には春服已に成る」と云った様に譬(たと)え様もない鮮(あざ)やかな明るい緑の簑(みの)をふっさりとかぶって...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...見れば簑笠(みのかさ)がいくつも田に働いて居る...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...梅が畑の唯有(とあ)る百姓家に(か)け込んで簑(みの)を借りた...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...カメレオンと簑蟲(みのむし)との對話といふレヲパルディ風のものを書いて見度くなる...
中島敦 「かめれおん日記」
...佐渡には道中簑と申すのがございましてノ...
長塚節 「佐渡が島」
...あるものは簑(みの)に似た青い衣(きぬ)をばらばらに着て...
夏目漱石 「行人」
...天気の好イノニ簑笠ツケテ...
牧野信一 「日記より」
...昔の貧窮時代簑を着たまま正月の餅を食はねばならなかつたので...
横瀬夜雨 「田舍の新春」
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