...紅蓮白蓮(ぐれんびゃくれん)の造り花が簇々(ぞくぞく)と咲きならんで...
芥川龍之介 「邪宗門」
...もう梢に簇(むらが)つた芽を神経のやうに震はせてゐる...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...馬車は次第に學校の門に簇(むらが)りぬ...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...ここにおいてこれをその身より抜けば閃(ひらめ)く簇(やじり)その胆(きも)より出(い)で来りて畏怖(おそれ)これに臨む」とある...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...西をさしてゆくに、堤は絶えて、一簇の人家あり、埼玉村といふ...
大町桂月 「石田堤」
...驛前に、一簇の人家あり、旅館もあり、こゝを新輕井澤と稱す...
大町桂月 「碓氷峠」
...年已に十三、瘡珠攅簇、肌膚鮫魚の皮の如く、痛痒忍ぶべからず...
大町桂月 「親子遠足の感」
...今日(けふ)は麓の深谷より簇々(むら/\)と渦上する白雲の爲めに蔽はれて...
田山花袋 「秋の岐蘇路」
...氷るらん横川の水に降る雪もわかごと消えて物は思はしかの女の胸に簇り上るやうにしてかうした歌が出て來た...
田山花袋 「道綱の母」
...流言飛語の類が簇出したと云われていることを注意しよう...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...路傍を見ると漸く乳房のあたりまであるかなしの灌木がむら/\と簇がつて居る...
長塚節 「佐渡が島」
...私はふと燃えさしの麦束の散らばつたあたりに地にひつゝいて白い花の簇がつて居るのを見た...
長塚節 「隣室の客」
...浮いた足並の簇(むら)がるなかでこう云った父の言葉は...
夏目漱石 「行人」
...武者絵の一勇斎国芳(いちゆうさいくによし)と名人上手簇出(ぞくしゅつ)の勢(いきおい)に駆られて...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...簇葉に蔽はれた樹々よりももつと濃い緑の苔草が生え茂つた小路で區切られてゐる...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...白樺の簇葉(むらは)にからまつて...
吉江喬松 「霧の旅」
...叢から簇々出て來るのを見とめる‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥若いシルストルはその日...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...ここの味方内から離反者が簇出(ぞくしゅつ)したばかりでなく...
吉川英治 「私本太平記」
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