...簇々(そうそう)とつるをのばしたその花が...
芥川龍之介 「偸盗」
...都市の随所に簇立せる銅像の類は悉く低級虚偽の作品のみであつて...
エンマ・ゴルドマン 伊藤野枝訳 「少数と多数」
...年已に十三、瘡珠攅簇、肌膚鮫魚の皮の如く、痛痒忍ぶべからず...
大町桂月 「親子遠足の感」
...……まるで簇生(そうせい)植物のようだ...
相馬泰三 「六月」
...今言つた妻君の言葉がゆくりなく簇々(むら/\)と自分の胸に思ひ出された...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...夾竹桃が紅い花を簇(むらが)らせてゐる家の前まで來た時...
中島敦 「環礁」
...ぽつ/\と簇(むらが)つた村落(むら)の木立(こだち)の孰(いづ)れも悉(こと/″\)く赭(あか)いくすんだ葉(は)を以(もつ)て掩(おほ)はれて居(ゐ)る...
長塚節 「土」
...桜の春が簇(むら)がるばかり嬉しい...
夏目漱石 「琴のそら音」
...無数の石筍の簇生を発見したような驚きであった...
野上豊一郎 「七重文化の都市」
...武者絵の一勇斎国芳(いちゆうさいくによし)と名人上手簇出(ぞくしゅつ)の勢(いきおい)に駆られて...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...そんなにも簇(むら)がっているそれ等の花がもう先刻(さっき)のように好い匂(におい)がしなくなってしまっていることに私は愕(おどろ)いた...
堀辰雄 「美しい村」
...どれよりも最も多くの花を簇がらせているように見えるその野薔薇とそっくりそのままのものを何処(どこ)かで私は一度見たことがあるように思えて...
堀辰雄 「美しい村」
...アトリエの荒れ果てた庭の狂ほしいやうな花の簇がりやうが...
堀辰雄 「おもかげ」
...その集簇せるの状ほぼハチクに似たり...
牧野富太郎 「植物記」
...柔道の話が簇出(ぞくしゅつ)した...
三田村鳶魚 「中里介山の『大菩薩峠』」
...蚕(かいこ)の上簇(じょうぞく)や麦苅入(むぎかりい)れの支度(したく)に...
柳田国男 「山の人生」
...ひしと簇(むらが)っている甲冑(かっちゅう)の人影に...
吉川英治 「源頼朝」
...簇(むらが)り集まって来た人間は...
吉川英治 「宮本武蔵」
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