...しかし事務長にはそんな事をいう権利でもあるかのように葉子は皮肉な竹篦返(しっぺがえ)しもせずに...
有島武郎 「或る女」
...篦鷺(へらさぎ)の何をか思ふしよんぼりと立てる畷(なはて)に...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...篦棒(べらぼう)なのぼせやうをして居なさるんだつて言ふからな...
相馬泰三 「新らしき祖先」
...篦でつけたような柔かな筋が薄い皮膚を刻んでいた...
豊島与志雄 「人の国」
...「篦棒に寒い晩だなどうも」と又四つ又は火鉢へ手を翳す...
長塚節 「芋掘り」
...打(ぶ)ん擲(なぐ)らつら篦棒臭(べらぼうくせ)え」打(う)ち消(け)す聲(こゑ)が聞(きこ)えた...
長塚節 「土」
...正義や涙は篦棒(べらぼう)である...
羽志主水 「監獄部屋」
...手拭とか靴篦とかいふ細かなもので正三は鳥渡手間どることがある...
原民喜 「壊滅の序曲」
...岡の眼と篦に伴れて私の様子を見比べてゐた...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...あの無益に篦目(へらめ)を入れることや...
柳宗悦 「工藝の道」
...あの一条(ひとすじ)の篦目(へらめ)...
柳宗悦 「工藝の道」
...もっとも普通に使われるのは物さしとか篦(へら)の類...
柳田国男 「こども風土記」
...篦か箸のさきに附けてたぐり取るほどのゆるさであつたものが...
柳田國男 「食料名彙」
...波打際(なみうちぎわ)の恰好(かっこう)に見おぼえがあるんだ」「篦棒(べらぼう)めえ...
夢野久作 「難船小僧」
...象牙の篦(へら)を結び付けた暗褐色の紐を解いて巻物をすこしばかり開くと...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...それから先が盲滅法(めくらめっぽう)に手ッ取り早いんで……篦棒(べらぼう)めえ日本人じゃねえか...
夢の久作(夢野久作) 「人間腸詰」
...「身体(からだ)は売っても心は売らぬ」という篦棒(べらぼう)なのが出て来るのもこの意義からであります...
夢野久作 「鼻の表現」
...篦棒(べらぼう)め...
吉川英治 「江戸三国志」
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