...まだ星が出てゐるのに庭を箒(はうき)で掃(は)き始めたさうである...
芥川龍之介 「続野人生計事」
...如何にも爽快なリズムをもつたサラツサラツと松原の硬い砂地をかすめる松葉掻きの竹の箒(ほうき)の音が...
伊藤野枝 「白痴の母」
...なにかどなりながら竹箒(ぼうき)をかついで子供をおっかけてきた腰巻一つの内儀(かみ)さんや...
徳永直 「白い道」
...箒(ほうき)のこともまた何もかも世の中のことを忘れてしまって...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...そなたの家には箒(ほうき)で掃いて箕(み)で捨てるほどあろうけれど...
中里介山 「大菩薩峠」
...「これこれ、当家の主人は在宅か」道場の中を掃いている与八をつかまえて、異体の知れぬ豪傑が、穏かならぬ色で詰寄せて来たものですから、与八が、「はい」といって、箒の手を休めて、眼をパチクリして見ていると、「主人は在宅か」七人は早くも道場の中へ押し込んで、返答によっては奥へ乱入の気色(けしき)と見えました...
中里介山 「大菩薩峠」
...それを追っていらしって箒の柄で肩をたたかれたこともございます...
中里介山 「法然行伝」
...この松葉が拂はれて箒目の行き屆いた朝芝の青々としたのを見れば全く生命のないものでもない...
長塚節 「我が庭」
...また箒(ほうき)がないということを考えだした...
夏目漱石 「三四郎」
...さて若衆のいでたちや奴冠りに筒袖の半纏すがた意氣なるに帶ぶや棕梠の木竹箒...
萩原朔太郎 「煤掃」
...(鉄箒)「法廷に立て」伝右衛門が白蓮女史に送った手紙誰が書いたのか...
長谷川時雨 「柳原※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子(白蓮)」
...朝(あさ)がへりの殿(との)がた一順(じゆん)すみて朝寢(あさね)の町(まち)も門(かど)の箒目(はゝきめ)青海波(せいがいは)をゑがき...
樋口一葉 「たけくらべ」
...信乃が箒(ほうき)を持つのと殆ど同時に...
山本周五郎 「めおと蝶」
...店の親爺(おやじ)を捉まえて商売物の棕梠箒で棕梠ハタキを押付けて酒代にすべく談判を始めた...
夢野久作 「近世快人伝」
...きれいに箒目さえ立っていた...
吉川英治 「上杉謙信」
...箒(ほうき)ノ頭(かみ)さま...
吉川英治 「私本太平記」
...こん夜は汁講(しるこう)だ」「箒をかついだり...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...一日箒を持っていたので...
吉川英治 「宮本武蔵」
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