...坐る時には藁筵(わらむしろ)を敷く...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...掃溜(はきだめ)の破筵(やれむしろ)までも...
泉鏡花 「薄紅梅」
...重い材木で圧(お)しをして大きな断片にしたのである……それほど上等でないのはかれらが蒲(がま)でつくった筵(むしろ)で蔽ってあって...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...そこへ蛸樹の葉で編んだ筵を敷いて寢るのである...
中島敦 「環礁」
...穗(ほ)を掩(おほ)うた其(そ)の筵(むしろ)が勘次(かんじ)の所業(しわざ)であることを的確(てきかく)に證據立(しようこだ)てゝ居(ゐ)た...
長塚節 「土」
...壁(かべ)の土(つち)の段々(だん/\)に乾(かわ)くのが待遠(まちどほ)で卯平(うへい)は毎日(まいにち)床(ゆか)の上(うへ)の筵(むしろ)に坐(すわ)つて火(ひ)を焚(たい)た...
長塚節 「土」
...勘次(かんじ)は簀(す)の子(こ)の上(うへ)の筵(むしろ)に横(よこた)へて...
長塚節 「土」
...朝草刈秋の田のかくめる湖の眞上には鱗なす雲ながく棚引く武藏野の秋田は濶し椋鳥の筑波嶺さして空に消につゝ(道灌山遠望)豆(さゝげ)干す庭の筵に森の木のかげる夕に飛ぶ赤蜻蛉水泡よる汀に赤き蓼の穗に去りて又來るおはぐろ蜻蛉秋の日は水引草の穗に立ちて既に長けど暑き此頃科野路は蕎麥さく山を辿りきて諏訪の湖邊に暑し此日は秣刈り霧深山をかへり來て垣根にうれし月見草の花同第二會七日...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...筵(むしろ)を拂つて驚きました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そこには荒筵の上に仰向(あおむ)けになって...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「親分、驚いちやいけませんよ」ガラツ八の聲を聞流して、筵を剥した平次...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...筵で閉(ふさ)いだ鳥の巣のように憐れな自分の家を眺めて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...夫(そ)れを埋(う)めやうとて雷神虎(らいじんとら)が盆筵(ぼんござ)の端(はし)についたが身(み)の詰(つま)り...
樋口一葉 「にごりえ」
...その講筵(こうえん)をオックスフォールド大学に開いた時...
穂積陳重 「法窓夜話」
...天下の富豪大倉喜八郎氏が百何十万円とかを投じて賀筵(がえん)を張る...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...久慈は腐った筵を引き剥いだ後からにょろにょろ現れて来る青い蜥蜴を見付け出すように...
横光利一 「旅愁」
...……もう別時念仏の法筵(ほうえん)が始まったのでしょう」「行きましょう」汗の歓びだった...
吉川英治 「親鸞」
...筵(むしろ)をかぶせたものが隠してあった...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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