...木製の箱型ベッドの、けんどん開きになってるところで、衣類の詰っている大型の行李の中へ、さらに風呂敷包みにした真冬のコートや肩掛、ジャケツ類まで合せ入れて、けんどんに納め、三四足の新らしい下駄や草履、積み重ねた手筥、洋傘のようなものまで、せまいなかへ無理に押し込もうとしていると、「たいしたお荷物ですね」と、看護婦も云い添えた...
「草藪」
...港内にて清三郎乗船の筥崎丸(はこざきまる)と行違ふ...
高浜虚子 「五百五十句」
...何やら衣筥(ころもばこ)に収めたものを恭(うや/\)しく捧げながら運び入れた...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...平中はすばやく筥を奪い取って一目散に走り去った...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...硯筥(すゞりばこ)や料紙(りょうし)入れから小刀や紙を取り出しながら...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...馬鹿にした野郎だ」文筥(ふばこ)を手に持ってノソノソ帰って行く中間のうしろ姿へいまいましそうに舌打ちをひとつくれて...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...硯筥(すずりばこ)一式等をおさめ...
室生犀星 「姫たちばな」
...福岡市外筥崎町(はこざきちょう)の出外れに在る赤煉瓦(れんが)の正門を...
夢野久作 「空を飛ぶパラソル」
...職業(しょうばい)柄懇意にしている筥崎署の大塚警部が飛び乗って来たので...
夢野久作 「空を飛ぶパラソル」
...背(せ)なかへななめに持っている状筥(じょうばこ)であるとみえる...
吉川英治 「神州天馬侠」
...傍らの塗筥(ぬりばこ)を小姓の手から授けた...
吉川英治 「新書太閤記」
...さらに硯筥(すずりばこ)をこれへと求めて...
吉川英治 「新書太閤記」
...美しい菓子と手筥(てばこ)を褒美にもらったこともある...
吉川英治 「新書太閤記」
...預かって出た写経の塗筥(ぬりばこ)を...
吉川英治 「親鸞」
...胸に掛けていた革文筥(かわふばこ)を外(はず)し...
吉川英治 「宮本武蔵」
...小筥の中に何を入れてあるのだろう...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...古代蒔絵(こだいまきえ)の溶(とろ)けそうな筥である...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...母が新妻時代にでも使ったらしい鼈甲(べっこう)の櫛(くし)笄(こうがい)やら簪(かんざし)などを入れた小筥(こばこ)と...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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