...小筥(こばこ)の中からそっと取りだした一枚の紙片を...
池谷信三郎 「橋」
...横浜出帆の筥崎丸(はこざきまる)にて仏蘭西(フランス)遊学の途に就く...
高浜虚子 「五百句」
...お寅の手筥に守袋を突込んで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...席札(せきふだ)長崎屋の寮の筥棟(はこむね)の上...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...かねて欲しがっていた花十字架(はなくるす)の螺鈿のついた葡萄牙(ポルトガル)の香筥をやると約束し...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...我文筥の紐か、我羽織の紐か、我瓢箪(ひょうたん)の紐か、はたその紐の色は赤か青か白か黒か、もしまた紫ならば同じ濃さか同じ古さか、それらも聞きたくなきにはあらねど作者の意はさる形の上にあらずして結ぶといふ処にあるべく、この文筥は固(もと)より恋人の文を封じ来れる者と見るべければ野暮評は切りあげて、ただ我らの如き色気なき者にはこの痴なる処を十分に味ひ得ざる事を白状すべし...
正岡子規 「墨汁一滴」
...文台(ぶんだい)や手筥(てばこ)が幾つか買上げられているそうだが...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...わかったかの」筆者は何となくアラビアン・ナイトの中の人間になったような気持で田圃通りに筥崎へ向った...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...筥崎馬出(まいだし)の三桝(みます)質店に入れたものである...
夢野久作 「空を飛ぶパラソル」
...宗像(むなかた)郡神与(じんよ)村の八並(やつなみ)から筥崎(はこざき)へ移転して来た...
夢野久作 「父杉山茂丸を語る」
...そして置文の空筥(からばこ)を...
吉川英治 「私本太平記」
...わけてよく効くと申しますから」すぐ小さい香筥(こうばこ)をとり出した...
吉川英治 「私本太平記」
...文筥(ふばこ)の蓋(ふた)には...
吉川英治 「新書太閤記」
...そしてただ料紙と硯筥(すずりばこ)とを藤吉郎の前へ持って来た...
吉川英治 「新書太閤記」
...塗りかけている筥(はこ)ものや棗(なつめ)などが溜(たま)っている」「そんなもの...
吉川英治 「新書太閤記」
...状筥を取り上げながら...
吉川英治 「新書太閤記」
...美しい菓子と手筥(てばこ)を褒美にもらったこともある...
吉川英治 「新書太閤記」
...小筥の帛紗をつかもうとした刹那に...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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