...確かに筋向いの二階家の...
泉鏡花 「霰ふる」
...筋向いのハイカラ造りの煙草屋がある...
泉鏡花 「婦系図」
...世継稲荷(よつぎいなり)の筋向いの路次(ろじ)の奥にある...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...自分等の筋向いにいた中年の夫婦はその時はまだ立たなかった...
寺田寅彦 「震災日記より」
...筋向いには古くからやっている機械鍛冶(かじ)もあった...
徳田秋声 「黴」
...筋向いの個室に入っていられますのよ...
外村繁 「落日の光景」
...彼はその店の筋向いの三角卓子のあるカフェのレコードに聞き惚(ほ)れて...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...お酉様(とりさま)の鳥居と筋向いになって...
永井荷風 「里の今昔」
...柾木稲荷の祠(ほこら)はその筋向いに新しい石の華表(とりい)をそびやかしているのを見て...
永井荷風 「深川の散歩」
...荒物屋の向っ角――あたしの家の筋向いに横っぱらを見せている...
長谷川時雨 「旧聞日本橋」
...突然クリヒが筋向いの家の戸口を示した...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...川俣踏絵たらいうダンサーが筋向いにいるんですが...
久生十蘭 「魔都」
...永井病院の筋向いのあたりで死体を降し...
久生十蘭 「魔都」
...ちょうど僕とは筋向いになった座席であいかわらず熱心に本を読みつづけている妻のほうへ立ってゆきながら...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...帝国ホテル筋向いにある公園入口の交番へ行くようにとぼくにすすめたのである...
山之口貘 「夏向きの一夜」
...誰がそんなことを云ったの」「おまえとは筋向いにいた人間さ...
山本周五郎 「柳橋物語」
...評定所はその筋向いにみえる...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...店の筋向いの実業家脇沢金次郎老に励まされ...
吉川英治 「年譜」
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