...(しかし僕は随筆以外に何も完成しなかつた斎藤緑雨にいつも同情を感じてゐる...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...筆が一寸躓(つまづ)くと...
石川啄木 「菊池君」
...突然(だしぬけ)に主筆の声が耳に入つた...
石川啄木 「病院の窓」
...遠いタダの知人には頗(すこぶ)る慇懃(いんぎん)な自筆の長手紙(ながてがみ)を配るという処に沼南の政治家的面目が仄見(ほのみ)える心地がする...
内田魯庵 「三十年前の島田沼南」
...然(しか)るにこの大勢力ある金港堂が一大小説雑誌を発行するに方(あた)って如何(いか)なる大作家でも招き得られるのに漸(やっ)と二十歳(はたち)を越えたばかりの美妙を聘(へい)して主筆の椅子(いす)を与えたのは美妙の人気が十分読者を牽(ひ)くに足るを認めたからであろう...
内田魯庵 「美妙斎美妙」
...連作執筆者として選ばれた作家はルュパート・ヒューズ...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...そうして漱石氏が朝日新聞に入社してその紙上以外に筆を執らぬようになってから後はまた著しくその数を減じている...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...筆を執つても原稿用紙の隅に自分の似顏畫を落書したりなどするだけで...
太宰治 「ダス・ゲマイネ」
...肩にかけた雑嚢の中から紙片と鉛筆とを出して...
田山花袋 「トコヨゴヨミ」
...紙や筆を売る松さんの許(もと)であった...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...「お気に入りましたか」東野南次は筆を執(と)ることを覚えてから...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...平次へくれた不思議な手紙の筆蹟に似たのもありません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...小説を書く筆者の琴線がたかなることなくしては...
林芙美子 「新版 放浪記」
...恐らく先生が明治四十年代御執筆のものとおもふが...
正岡容 「大正東京錦絵」
...若くて清貞の聞え高く老後汚名を流せし者諸国の史筆を絶たぬは...
南方熊楠 「十二支考」
...初めにその筆記図録を出せと云われたとき...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...いかにも妙な手つきで筆を持ち...
山本周五郎 「風流太平記」
...部下のうちで偽筆の巧みな者に命じ...
吉川英治 「三国志」
便利!手書き漢字入力検索