...模様の周囲に藍と白とを組み合わせにした小さな笹縁(ささべり)のようなものを浮き上げて編み込んだり...
有島武郎 「或る女」
...レースで笹縁(ささべり)を取ったハンケチを振らねばならなかった...
有島武郎 「或る女」
...青灰色によごれていた雲そのものすらが見違えるように白く軽くなって美しい笹縁(ささべり)をつけていた...
有島武郎 「或る女」
...奧樣がたへは笹縁(さゝべり)のれいすも賣るが...
ルイ・ベルトラン Louis Bertrand 上田敏訳 「五本の指」
...その喚起する連想の周囲には簡単に名状し記載することのできない潜在意識的な情緒の陰影あるいは笹縁(ささべり)がついている...
寺田寅彦 「映画芸術」
...それが徴兵検査であっただけにそのびっくりはかなり複雑な感情の笹縁(ささべり)をつけたびっくりであったのである...
寺田寅彦 「自由画稿」
...過去と未来には末広がりに朦朧(もうろう)たる不明の笹縁(ささべり)がつきまとってくる...
寺田寅彦 「野球時代」
...行き過ぎた禿の背には赤地に黒の笹縁をとつた小判形の前垂のやうなものが一杯にさげてある...
長塚節 「菜の花」
...笹縁の附いた薄いアッパッパを一枚着たきりで給仕をしたりするに至つては...
野上豐一郎 「湖水めぐり」
...数百尺の下は真白に笹縁を取った碧海で...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...髭の上半分を剃り下げた青々とした笹縁(ささべり)が...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...その径(みち)にずっと笹縁(ささべり)をつけている野苺(のいちご)にも...
堀辰雄 「美しい村」
...笹縁(レース)のやうに白い泡で縁どられた蒸氣船をぼんやり追つてゐるのだが...
堀辰雄 「水のほとり」
...手巾(ハンカチ)の笹縁(ささへり)が...
山川方夫 「昼の花火」
...緑玉(エメラルド)の女衣(ロオブ)に水晶と黄金(きん)の笹縁(さゝべり)……浮き上がりつつ...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
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