...雪解くるささやき滋(しげ)し小笹原(おざさはら)昭和八年一月二十七日 鎌倉俳句会...
高浜虚子 「五百句」
...花まばら小笹原(おざさはら)なる風の梅三月五日 日本探勝会...
高浜虚子 「五百五十句」
...此処等あたりまでは、開墾者もまだ入って来ないと見えて、低い灌木の野や、笹原や、林の中に、路が唯一筋細くついているばかりで、あたりには百姓の姿も見えなかった...
田山花袋 「トコヨゴヨミ」
...あの低い笹原のところまで来ますと...
中里介山 「大菩薩峠」
...そこは笹原がかなり広く続いたところであるのに...
中里介山 「大菩薩峠」
...笹原雄三と云ふ名刺を出した...
林芙美子 「風媒」
...笹原は無口であまりしやべらなかつた...
林芙美子 「風媒」
...笹原の經驗では、女性のかうした味氣なさと云ふものは、結婚をした女性としてはまれに見る冷たさだなと、さつきから早苗の樣子をぢつと眺めてゐた...
林芙美子 「風媒」
...あんまり早苗が怒つてゐるやうなので、笹原も、夜分にでも來て下さいませんかと、思ひあまつたやうな返事であつた...
林芙美子 「風媒」
...早苗は銀閣寺のそばの笹原の家に出向いて行つた...
林芙美子 「風媒」
...どうして未亡人だなンて嘘をおつしやつたンですか?」笹原がふつと顏を上げて早苗を眺めた...
林芙美子 「風媒」
...笹原は光をたゝへた眼で暫く早苗を眺めてゐたが...
林芙美子 「風媒」
...やがて湯を持つて來た笹原は...
林芙美子 「風媒」
...笹原の急な傾斜も終には尽きて...
牧野富太郎 「利尻山とその植物」
...不意に路傍の笹原の中から...
柳田国男 「山の人生」
...笹原を渡る風の如くどよめく有様...
夢野久作 「白くれない」
...関(かま)わず進んで見ると何か笹原の中に横になっている...
吉江喬松 「木曾御嶽の両面」
...つづらをりはるけき山路登るとて路に見てゆく竜胆の花散れる葉のもみぢの色はまだ褪(あ)せず埋めてぞをる竜胆の花をさびしさよ落葉がくれに咲きてをる深山竜胆の濃むらさきの花摘みとりて見ればいよいよむらさきの色の澄みたるりんだうの花越ゆる人まれにしあれば石出でて荒き山路のりんだうの花笹原の笹の葉かげに咲き出でて色あはつけきりんだうの花また...
若山牧水 「秋草と虫の音」
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