...足(あし)捗取(はかど)らぬ小笹原(こざさはら)と...
泉鏡太郎 「大阪まで」
...笹原を押分け樹の根につかまり...
伊藤左千夫 「野菊の墓」
...わたしがあの笹原でパッタリと蒼い面をした浅吉さんに行きあったことは...
中里介山 「大菩薩峠」
...吾輩は藁(わら)の上から急に笹原の中へ棄てられたのである...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...笹原雄三と云ふ名刺を出した...
林芙美子 「風媒」
...笹原の經驗では、女性のかうした味氣なさと云ふものは、結婚をした女性としてはまれに見る冷たさだなと、さつきから早苗の樣子をぢつと眺めてゐた...
林芙美子 「風媒」
...笹原の坐つてゐた派手な座蒲團が急にまぶしく早苗の眼の中へ這入つて來た...
林芙美子 「風媒」
...笹原は白いミルク入れを持つて...
林芙美子 「風媒」
...笹原は、ふつと立ちあがると、早苗の前にある冷えた紅茶茶碗を取つて、障子の外へ捨てに行つた...
林芙美子 「風媒」
...「熱いのを淹れませう」笹原はさう云つて...
林芙美子 「風媒」
...*27有馬山いなの笹原風ふけばいでそよ人を忘れやはする涯(はて)しない「時」の海原を滑ってゆく人生という船の上に立って...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...笹原の中に細くついている小道へ入って行った...
久生十蘭 「湖畔」
...笹原の急な傾斜も終には尽きて...
牧野富太郎 「利尻山とその植物」
...南稜が上部笹原に連なる付近は...
松濤明 「一ノ倉沢南稜」
...鷲が二羽 降りようとして舞つてゐる巖のあらはな巓を 私は仰ぎ 私はたちどまるその山の肩のあたり 林の盡きた笹原に 私は籠手を翳し私は逡巡する さてまづ晝餉をしたためる...
三好達治 「鷲」
...奥の方なる林の中より若き女の穉児(おさなご)を負(お)いたるが笹原の上を歩みて此方へ来るなり...
柳田国男 「遠野物語」
...静かに笹原を分けて土蔵の方へ近付いた...
夢野久作 「笑う唖女」
...関(かま)わず進んで見ると何か笹原の中に横になっている...
吉江喬松 「木曾御嶽の両面」
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