...それは皆俗に杭州舟と言っている笘(とま)を屋根にした小舟であった...
田中貢太郎 「雷峯塔物語」
...乗せてってくださいまし」ふくらみのある女の声がするので許宣は笘の隙から陸の方を見た...
田中貢太郎 「雷峯塔物語」
...綺麗な女の顔がもう笘屋根の下にくっきりと見えた...
田中貢太郎 「雷峯塔物語」
...絹糸のような雨が絶えず笘屋根の外にあった...
田中貢太郎 「雷峯塔物語」
...荷船(にぶね)や肥料船(こえぶね)の笘(とま)が貧家の屋根よりもかえって高く見える間からふと彼方(かなた)に巍然(ぎぜん)として聳(そび)ゆる寺院の屋根を望み見る時...
永井荷風 「日和下駄」
...行人欄に倚りて見るものあるも更に恥る色なく指頭に一物を拈って静に雫を払い手鼻をかんで笘の中に入る...
永井荷風 「偏奇館漫録」
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