...感服と驚きと可笑味(おかしみ)とを混ぜたような眼つきをして見ていたに相違ない...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...如何にも沁々とした可笑味が自ら流れ出す洵によいものである...
辰野隆 「銷夏漫筆」
...則重の顔や話しごえがます/\可笑味(おかしみ)を加えて来るように思われて...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...情(なさけ)の中に何処か可笑味(おかしみ)を添えて...
徳冨蘆花 「地蔵尊」
...可笑味(おかしみ)のある馬鹿気たことではないのである...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...余は浮世絵師が実地の観察の及ばざる処を補ふにしばしば戯作者風の可笑味(おかしみ)多き空想を以てし半(なかば)支那半(なかば)西洋の背景に浮世絵在来の粉本に基(もとづ)ける美人を配合するなぞかへつて能く怪訝(かいが)好奇の感情を表白せる事を喜ぶ...
永井荷風 「江戸芸術論」
...貧乏臭い間の抜けた生活のちょっとした処に可笑味(おかしみ)面白味を見出して戯れ遊ぶ俳句...
永井荷風 「妾宅」
...日常の会話にも下(しも)がかった事を軽い可笑味(ユウモア)として取扱い得るのは日本文明固有の特徴といわなければならない...
永井荷風 「妾宅」
...その代り面白味も可笑味も無くなってしまいます...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...恰好も仕業も舞臺そのまゝの可笑味で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...恰好(かっこう)も仕業も舞台そのままの可笑味(おかしみ)で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...吹出さずに居られない可笑味(おかしみ)があります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...少しく可笑味を感じ乍らも...
平出修 「逆徒」
...それが可笑味を帯びたものであつた...
平出修 「逆徒」
...囃子賑やかに可笑味の三味線いと早口にいと面白く捲くし立てられては行くところなのである...
正岡容 「下町歳事記」
...続いて唐茄子がやはり知らない男と「神力万歳」というむやみに相手の真似ばかりしたがる可笑味のものを演る...
正岡容 「随筆 寄席風俗」
...総体に江戸茶番の愉しさはこうした可笑味の振りの繰り返しのところにあるといえよう...
正岡容 「随筆 寄席風俗」
...始終女の心になりて可笑味(おかしみ)を叙(の)べたもの故...
南方熊楠 「十二支考」
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