...――あな胡弓彈きほくそ笑み...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...中外公論よりの百枚以上の小説かきたまえ、と命令、よき読者、杉山氏へのわが寛大の出来すぎた謝辞とを思い合せて、まこと健康の祝意示して、そっと微笑み、作家へ黙々握手の手、わずかに一市民の創生記、やや大いなる名誉の仕事与えられて、ほのぼのよみがえることの至極、フランク、穏当(おんとう)のことと存じます...
太宰治 「創生記」
...一週間ほど前からヴァレンシアの母親のところへまいっています」そしてユアンはにっと口許に笑みを泛べて...
橘外男 「陰獣トリステサ」
... 595笑みて其子の捧げたる二重盃手にとりぬ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...感謝と依頼を表すかのやうな微かに口許に現れた笑み………其の時の光景が...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...同行の若い婦人と信濃丸の甲板から笑みて一同を見て居た...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...彼女は笑みを含んでその視線を受け留め...
豊島与志雄 「朝やけ」
...微笑みながら私を眺めてそういった...
豊島与志雄 「道化役」
...私も何ということなしに眼で微笑み返した...
豊島与志雄 「微笑」
...彼女は縋るように微笑みかけてきた...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...ジュフラアジ先生は微笑みはじめました...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...唇に不安な笑みを浮かべて言った...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...春日のような頬笑みで...
山本周五郎 「青べか日記」
...甲斐に頬笑みかけた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...微笑みて諸手(もろで)を繋ぐ...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...陳大夫は心にほくそ笑みながら...
吉川英治 「三国志」
...道誉の方には必然な挑戦の笑みかのように眼に映った...
吉川英治 「私本太平記」
...一角は、編笠の中に、暗い笑みを、泛(う)かべながら、「では、近いうちに」と、彼女を、辻に捨てて、ぷいと横丁へ曲がってしまった...
吉川英治 「無宿人国記」
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