...傲慢なエリザベスの手からは王笏(おうしゃく)が盗まれている...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「ウェストミンスター寺院」
...象牙の笏(しやく)をかまへた男雛(をびな)を...
芥川龍之介 「雛」
...飲み仲間の主権者たる事を現わす笏(しゃく)を右手に握った様子は...
有島武郎 「クララの出家」
...で、大半はいつのまにか草履や下駄にはきかへてゐたものの、まだあの木箱をひきずるがらがらいふ音をたてて、紅い色の滲んだ、紙衣の神官達は、笏を前に構へ、気を張つて真正面を向いたまゝ繰り出して来た...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...先に下りた衣冠に笏を持つた政兼が廂の下に立つて上を仰いだ時には...
田山花袋 「道綱の母」
...黄金の鋲ちりばめし 245笏を大地に投げつけつ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...其笏あげて兩將に觸れて勇氣を滿たさしむ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...彼の手中に傳令の使は*笏を握らしめ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...神殿に面して笏を正すのである...
羽田亨 「賢所御神樂の儀」
...笏(しゃく)を持っていきり立った閻魔大王の姿を...
宮島資夫 「四谷、赤坂」
...」笏はそう言って...
室生犀星 「後の日の童子」
...笏には、その子があまりによく肖ているということばかりではなく、或る日なぞ、笏のところに訪ねてくる子供が、そこらあたりで影をなくしたことに、気を留めていたからであった...
室生犀星 「後の日の童子」
...なるべく気づかれないように笏は足音をひくめながら...
室生犀星 「後の日の童子」
...笏梧朗は、足音を忍ばせ家のなかへはいると、童子は、すぐに見付けた...
室生犀星 「後の日の童子」
...」笏も女と同じことを言った...
室生犀星 「後の日の童子」
...笏はすぐ馳(か)けつけたが...
室生犀星 「後の日の童子」
...笏は、此処がいったい何処であるかということを考えるより、自分がどうしてこの水田へきたかということを考えると、自分の歩いて来た道程があまりに近かったし、そしてそういう近いところにこんなにまで広い水田があろう筈がないように思われた...
室生犀星 「後の日の童子」
...王者の象徴たる笏をもじったもの...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
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