...」と云うのを、聞かない振でさっさと引込(ひっこ)もうとしたので、「あれ、お待ちなさい」と、下〆(したじめ)をしたばかりで、衝(つ)と寄って、ブラッシを引奪(ひったく)ると、窓掛をさらさらと引いて、端近で、綺麗に分けてやって、前へ廻って覗(のぞ)き込むように瞳をためて顔を見た...
泉鏡花 「婦系図」
...最後の船の端近く*壘壁長く造られき...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...氷河の末端近いところにはたくさんできている...
中谷宇吉郎 「雪の化石2」
...此方へ通すが宜い」「へツ、そこは端近、いざま――ずつと來たね...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...こっちへ通すがいい」「ヘッ、そこは端近、いざま――ずっと来たね...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...それでも折り曲げた足の先が閾にさはるほどの端近である...
平出修 「夜烏」
...その家の端近くに出て物語などしあっていた...
堀辰雄 「姨捨」
...端近い革張の椅子に腰を下ろした...
堀辰雄 「菜穂子」
...一番端近くにゐた僕の肩が一ぱい日を浴びてゐるのに漸つと氣がついて...
堀辰雄 「牧歌」
...端近くに横になつた...
堀辰雄 「牧歌」
...それを取り次いだので「そんな端近くでも構いませんでしたら――」と返事をさせた...
堀辰雄 「ほととぎす」
...一人きりで端近くに出ては...
堀辰雄 「ほととぎす」
...軽々しくあまりな端近へ出ておられたものであると大将は姫宮をお思いした...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...ジョン・ソーントンは端近くに腰掛け...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...家々の軒端近く繞りめぐつてゐる小川の氷が碎けて...
吉江喬松 「山岳美觀」
...端近く姿を見せて...
吉川英治 「新書太閤記」
...やおら身を起すと桟橋の端近く水面を覗き込むようにして...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
...大陸の南端近くで...
和辻哲郎 「鎖国」
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