...端近(はしぢか)に三宝(さんぼう)を二つ置いて...
泉鏡花 「遺稿」
...往来(ゆきき)に端近(はしぢか)な処に居ながら...
泉鏡花 「浮舟」
...貴郎(あなた)こそ端近で見ッともないじゃありませんか―ありますわ―さあ...
泉鏡花 「婦系図」
...」と云うのを、聞かない振でさっさと引込(ひっこ)もうとしたので、「あれ、お待ちなさい」と、下〆(したじめ)をしたばかりで、衝(つ)と寄って、ブラッシを引奪(ひったく)ると、窓掛をさらさらと引いて、端近で、綺麗に分けてやって、前へ廻って覗(のぞ)き込むように瞳をためて顔を見た...
泉鏡花 「婦系図」
...端近い女部屋から終(つい)に奥深い女部屋に伝わった...
魯迅 井上紅梅訳 「阿Q正伝」
...それでも折り曲げた足の先が閾にさはるほどの端近である...
平出修 「夜烏」
...女は端近くにいた夫を前にして...
堀辰雄 「曠野」
...かならず端近くに出ては雪をながめて居ったものでした...
堀辰雄 「姨捨」
...突き当りの病棟の二階の端近くにある病室にはいると...
堀辰雄 「菜穂子」
...端近い革張の椅子に腰を下ろした...
堀辰雄 「菜穂子」
...端近くに横になつた...
堀辰雄 「牧歌」
...それを取り次いだので「そんな端近くでも構いませんでしたら――」と返事をさせた...
堀辰雄 「ほととぎす」
...一人きりで端近くに出ては...
堀辰雄 「ほととぎす」
...端近く坐った呉羽之介の玉の顔(かんばせ)は斜めに光りをうけて...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...否病めるが故に更により多くの日光を浴びようと端近くにじり出る...
水野仙子 「嘘をつく日」
...息も出来ないで夢中に木立を抜けた私は縁側から座敷へ馳け上ると突然(いきなり)端近に坐っていた母の懐(ふところ)にひしと縋(すが)って声も惜しまずに泣いた...
水上滝太郎 「山の手の子」
...閑散な家では退屈さに婦人たちさえ端近く出て...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...うしろの山の端近く移っていた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??