...凡そ、村で人気のあるらしく見えるのは、此家と鍛冶屋と、南端近い役場と、雑貨やら酒石油などを商(あきな)ふ村長の家の四軒に過ぎない...
石川啄木 「赤痢」
...「端近で何の事(こっ)たい...
泉鏡花 「婦系図」
...床の端近(はしぢか)に据う...
泉鏡花 「海神別荘」
...石崖(いしがけ)の上の端近く...
寺田寅彦 「あひると猿」
...頭を炉格子の端近くの地面に転がしたまま...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「曲れる者」
...大阪の東の端近く...
直木三十五 「死までを語る」
...氷河の末端近いところにはたくさんできている...
中谷宇吉郎 「雪の化石2」
...端近く絣(かすり)の前を合せる...
夏目漱石 「虞美人草」
...こっちへ通すがいい」「ヘッ、そこは端近、いざま――ずっと来たね...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...それでも折り曲げた足の先が閾にさはるほどの端近である...
平出修 「夜烏」
...もう一方の端近くには長いのが一つある...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「黄金虫」
...突き当りの病棟の二階の端近くにある病室にはいると...
堀辰雄 「菜穂子」
...それを取り次いだので「そんな端近くでも構いませんでしたら――」と返事をさせた...
堀辰雄 「ほととぎす」
...端近く坐った呉羽之介の玉の顔(かんばせ)は斜めに光りをうけて...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...「そこではあまりに端近でございます...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...家々の軒端近く繞りめぐつてゐる小川の氷が碎けて...
吉江喬松 「山岳美觀」
...老母は音もなく立ってその姿を入口の端近くへ移した...
吉川英治 「新書太閤記」
...血を見ることを珍しげに端近(はしちか)く褥(しとね)を進めた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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