...必ずしもみな品行端正なるにあらず...
井上円了 「欧米各国 政教日記」
...奥さんの端正なプロフィルが...
太宰治 「斜陽」
...誰よりも一番似つかはしかつたのはあの老来なほ矍鑠(くわくしやく)とした端正な鍵屋の隠居...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...端正なものにしてるようでした...
豊島与志雄 「旅だち」
...端正な結晶体どもの上に落ち...
中島敦 「狼疾記」
...きわめて端正な解釈と...
野村胡堂 「楽聖物語」
...目鼻立ちの端正なのが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...薄桃色の羽二重に、銀粉をまぶしたやうな皮膚や、端正な眼鼻立、わけても少し大きい眼や、ポツチリ咲いたやうな唇(くちびる)の魅力など、一つ/\の美しさは算(かぞ)へ立てても際限がありませんが、何より、躰内に灯された處女の生命が、一顰(びん)、一笑、一擧手、一投足に、恐ろしいばかりの光明(ひかり)になつて、その五體から發散するのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その端正な顏が蒼くなつて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...蒼白い端正な面(おもて)を藤波のほうにふりむけると...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...端正な久我の美しさに狼狽せずにはいられなかった...
久生十蘭 「金狼」
...崩れた防風林の誇りかな歌の間に失われた自由の嶺は鋭く身を反らそうとする!)褐色の急潮が鳥のようにきらめく紫色の翼をあげて黒い漁船の列りを載せた端正な海の横顔をはたとうつとめくるめく光焔を青い鉱床に転がしながら太陽な天空の剥片をめぐりながら一色に塗り潰された宇宙の片麻岩の岩壁のすきまえ沈んで行く二つの空は明るい暗の中に溶けこみ黒い海狼と共に...
槇村浩 「青春」
...道化役者と端正な人たちとのあいだの...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...わたしはその人が外部に向ってこういう仮面・こういう端正な外観を・維持するために...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...お前の端正な態度は少しも乱されない...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...手をついて見上げた中黒達弥の端正な顔が...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...そうして端正な感じを持っている...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
...同じことは手足の細部の実に端正なつくり方や...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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