...誰よりも一番似つかはしかつたのはあの老来なほ矍鑠(くわくしやく)とした端正な鍵屋の隠居...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...挙止の端正なマネット医師が...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...それは端正な古典的な美しさとでも言えるでしょう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...薄桃色の羽二重に、銀粉をまぶしたやうな皮膚や、端正な眼鼻立、わけても少し大きい眼や、ポツチリ咲いたやうな唇(くちびる)の魅力など、一つ/\の美しさは算(かぞ)へ立てても際限がありませんが、何より、躰内に灯された處女の生命が、一顰(びん)、一笑、一擧手、一投足に、恐ろしいばかりの光明(ひかり)になつて、その五體から發散するのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...薄桃色の羽二重(はぶたえ)に、銀粉をまぶしたような皮膚や、端正な目鼻立、わけても少し大きい眼や、ポッチリ咲いたような唇の魅力など、一つ一つの美しさは算(かぞ)え立てても際限がありませんが、何より、体内に灯された処女の生命(いのち)が、一顰(ひん)、一笑、一挙手、一投足に、恐ろしいばかりの光明(ひかり)になって、その五体から発散するのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...学帽の庇(ひさし)が影をおとす端正な顔は...
久生十蘭 「あなたも私も」
...自分の容貌がそれ程端正な所から...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...崩れた防風林の誇りかな歌の間に失われた自由の嶺は鋭く身を反らそうとする!)褐色の急潮が鳥のようにきらめく紫色の翼をあげて黒い漁船の列りを載せた端正な海の横顔をはたとうつとめくるめく光焔を青い鉱床に転がしながら太陽な天空の剥片をめぐりながら一色に塗り潰された宇宙の片麻岩の岩壁のすきまえ沈んで行く二つの空は明るい暗の中に溶けこみ黒い海狼と共に...
槇村浩 「青春」
...垢抜けた端正な子供らしさで...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...その人わが見るところを以てすればこれほど端正な相好なしと至って真面目(まじめ)に答え...
南方熊楠 「十二支考」
...お前の端正な態度は少しも乱されない...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...手をついて見上げた中黒達弥の端正な顔が...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...数羽の白鳥が水面へずぼりと端正な姿で降りて来ると...
横光利一 「旅愁」
...廻し眼鏡に顕れる六華のような端正な開きをし...
横光利一 「旅愁」
...端正な姿に細太刀もよく似合って...
吉川英治 「私本太平記」
...また欧羅巴(ヨーロッパ)の国王間にも到底見られない華麗豪壮な扮装(ふんそう)に鏤(ちりば)められた端正なる一貴人であった――)と...
吉川英治 「新書太閤記」
...正面から見るとこの堂の端正な美しさが著しく目に立つ...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...従ってこの曲線の端正な美しさは東洋建築に特殊なものと認めてよい...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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