...必ずしもみな品行端正なるにあらず...
井上円了 「欧米各国 政教日記」
...ビールの御代りだ」身形(みなり)の端正なのにそぐわず...
江戸川乱歩 「一枚の切符」
...色が浅黒く端正な顔をしていて...
太宰治 「人間失格」
...端正な顔立をした美男子ばかりだということを発見したんだ...
太宰治 「美男子と煙草」
...何ともいえず端正な趣きを呈した...
豊島与志雄 「蘇生」
...実に端正な可愛い火口だ...
豊島与志雄 「高千穂に思う」
...端正なものにしてるようでした...
豊島与志雄 「旅だち」
...真昼の端正な「伎芸天」迄が妖艶...
長與善郎 「青銅の基督」
...目鼻立ちの端正なのが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その端正な額は歪むのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...端正な面をあげて見すえるように相手の顔を眺める...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...端正な久我の美しさに狼狽せずにはいられなかった...
久生十蘭 「金狼」
...崩れた防風林の誇りかな歌の間に失われた自由の嶺は鋭く身を反らそうとする!)褐色の急潮が鳥のようにきらめく紫色の翼をあげて黒い漁船の列りを載せた端正な海の横顔をはたとうつとめくるめく光焔を青い鉱床に転がしながら太陽な天空の剥片をめぐりながら一色に塗り潰された宇宙の片麻岩の岩壁のすきまえ沈んで行く二つの空は明るい暗の中に溶けこみ黒い海狼と共に...
槇村浩 「青春」
...近く寄っても足音のしないようお前の家の近くの駅の横の電柱のかげに立っているとこれから出かけて行く時は右の方から家へ帰って行く時は左手の駅の出口から駅前の果物屋の電燈の光の中にお前さんの端正な横顔と青い背広がスッと浮ぶ四五軒やりすごして私はつける闇の中をツツツと追うて一二歩のうしろに迫ってもお前は気がつかぬ学者らしい...
三好十郎 「殺意(ストリップショウ)」
...端正な重みの石の冷たさが掌へ滲み停って来る底に...
横光利一 「旅愁」
...正面から見るとこの堂の端正な美しさが著しく目に立つ...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...しかもグプタ朝の美術よりは明らかに宗教的な、端正な、またガンダーラ美術よりははるかに古典的で精練された初唐の美術を形造るに至った...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...同じことは手足の細部の実に端正なつくり方や...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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