...何ともいえず端正な趣きを呈した...
豊島与志雄 「蘇生」
...実に端正な可愛い火口だ...
豊島与志雄 「高千穂に思う」
...十四の時佐久間家に引取られた時から眼鼻立ちの端正な...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...その端正な額は歪むのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...蒼白い端正な面(おもて)を藤波のほうにふりむけると...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...青年の端正な美しさは...
久生十蘭 「金狼」
...彼の端正な古典型な型に篏(は)めようとする程に...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...卵形をした端正な顔のうちで...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...垢抜けた端正な子供らしさで...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...それを見ると、父親は――考え深そうな碧(あお)い眼をした、背の高い、端正な身なりの、いつも何か野の花をボタンの穴に挿している人だったが――非常に腹立しそうな、困りきった様子を見せた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...その人わが見るところを以てすればこれほど端正な相好なしと至って真面目(まじめ)に答え...
南方熊楠 「十二支考」
...手をついて見上げた中黒達弥の端正な顔が...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...それはまるで端正な体操のような格好のお辞儀なので彼もひどく驚いたが...
横光利一 「馬車」
...数羽の白鳥が水面へずぼりと端正な姿で降りて来ると...
横光利一 「旅愁」
...端正な姿をきっちりと纏めて狂いはなかった...
横光利一 「旅愁」
...端正な姿に細太刀もよく似合って...
吉川英治 「私本太平記」
...毛の明らかに生いそろった眉からはもはやあの端正な曲線の感じは得られない...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
...同じことは手足の細部の実に端正なつくり方や...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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