...かれ等はその期待のみを伴侶にして板を竪てたやうな勾配の急な嶮しい山路をのぼつて来た...
田山録弥 「石窟」
...一の橋を渡らないで竪川通(たてかわどお)りを真直ぐに行くと相生町」お君はこんなことを繰返して...
中里介山 「大菩薩峠」
...横の両眼は悪心降伏(あくしんごうぶく)の害毒削除の威力を示すが、竪の淫眼のみは、いつでも貪著と、染悪(せんお)と、醜劣と、汚辱(おじょく)とを覗いてやまぬものだ」「ははあ……」神尾主膳は苦笑いしながら、何か当てつけられたように感じました...
中里介山 「大菩薩峠」
...それが横(よこ)にも竪(たて)にも大(おほ)きくなつて...
長塚節 「土」
......
長塚節 「長塚節歌集 中」
...横からも竪からも秋の空が窓を覗いて居るやうである...
長塚節 「隣室の客」
...「さればこそ」と女は右の手を高く挙(あ)げて広げたる掌(てのひら)を竪(たて)にランスロットに向ける...
夏目漱石 「薤露行」
...竪(たて)二十間...
夏目漱石 「倫敦塔」
...横竪(よこたて)の目盛りは一手(ひとて)ごとに埋(うま)って行くのだから...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...竪琴をひいたり、犬のカピーや猿の話をしてあげようと思つて来たのに...
新美南吉 「ラムプの夜」
...ここに残っているものはないのか」「ある――第一そのピアノだ」三郎が部屋の隅にある竪台(アプライト)のピアノを指すと...
野村胡堂 「九つの鍵」
...竪(たて)に二つ柿(かき)のたねをならべたように上をむいている...
長谷川時雨 「鬼眼鏡と鉄屑ぶとり」
...いつか竪穴のこと話していたの...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...ついで示指(ひとさしゆび)を竪(た)てて見せた...
森鴎外 「山椒大夫」
...それから杓子を令(れい)の杖のやうに竪(た)てて...
カミイユ・ルモンニエエ Camille Lemonnier 森林太郎訳 「聖ニコラウスの夜」
...竪幅で、紙中の上の方に“尊林”と大きく二字書いてあり、その下に細字で細々と偈(げ)(詩)が書いてある...
吉川英治 「小説のタネ」
...笙だの、ひちりきだの、笛だの、胡弓だの、竪琴だの、竪笛だの、大鼓(おおつづみ)だのあらゆる高級な楽器が、田舎伶人のあやしげな感覚によって、交響楽を奏(かな)で出したものである...
吉川英治 「平の将門」
...ヴァイオリンと竪琴(ハープ)とでそれに和した...
渡辺温 「ああ華族様だよ と私は嘘を吐くのであった」
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