...身体の出来が人竝外れて大きい...
有島武郎 「かんかん虫」
...町家と鑛山の熟練職工と漁夫との家が崖下の荒磯の上に海に沿つて一里近く竝んでゐるのと...
江南文三 「佐渡が島のこと」
...齒竝びは椎(しい)の子(み)や菱(ひし)の實のようだ...
稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳 「古事記」
...彼はいろ/\な惡口を竝べたてゝ...
スティーヴンスン 佐藤緑葉訳 「帽子箱の話」
...)五十嵐に似合はん猫を被つた穩かな文句が竝べてある...
高濱虚子 「俳諧師」
...窕子の美しくなつたことは! 指は白魚を竝べたやうに...
田山花袋 「道綱の母」
...戀(こひ)の誠(まこと)をば感(かん)ぜぬ切(せつ)なさ!……何(なん)で笑(わら)ふンぢゃ?(斯(か)くの如(ごと)き對照式(たいせうしき)の綺語(きご)――技巧的(ぎこうてき)な比喩語(ひゆご)――を竝(なら)ぶることはシェークスピヤの青年期(せいねんき)にはイギリス文壇(ぶんだん)の流行(りうかう)なりしなり...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...私が見た時も五六軒建築中であつた)其建ち竝ぶ中を通りぬけて患者さん達の丹精によつて出來た山の中の奇麗な道路を通つて海岸へ出た...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...お義理だけの町役人が顏を竝べましたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...金澤町の下駄屋のお袖、町は違ひますが、お今、お三輪と竝んで、界隈の評判娘です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...博物館(はくぶつかん)にはいろ/\の美(うつく)しいものや珍(めづら)しい品物(しなもの)が竝(なら)べてあります...
濱田青陵 「博物館」
...輪(わ)といふのは輪(わ)の形(かたち)に竝(なら)べることから出(で)た名前(なまへ)だといふことであります...
濱田青陵 「博物館」
...その赤い屋根をもつた大きな建物は互に竝行した三つの病棟に分れてゐた...
堀辰雄 「恢復期」
...そこがすぐ領事館などの竝んでゐる山手通りになつてゐるのである……「君は一體いくつなんです?」私は急に思ひ出したやうに私のあとについてくる女を振り向いた...
堀辰雄 「生者と死者」
...古驛としておもかげをよく殘してゐるこの村の家竝み...
堀辰雄 「ふるさとびと」
...とても判讀の出來ない態の達者な文字が讀みきれぬ程竝んでゐた...
牧野信一 「痴日」
...竝に殘缺佚亡せる篇あれども...
箭内亙訳註 「國譯史記列傳」
...歩くならば月竝(つきなみ)な東海道を歩くよりこの人知れぬ廢道を行つた方がよからうと云ふ兩人の間の相談からではあつたが...
若山牧水 「樹木とその葉」
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