...』と、何が何やら分らぬ話しながら、続けざまの包囲攻撃に、客は愈(いよいよ)逃げ度を失ひて、立膝になり、身をもぢ/″\して、『少し腹痛しますから、失礼します...
石井研堂 「元日の釣」
...直ぐそこの長火鉢を取巻いて、三人ばかり、変な女が、立膝やら、横坐りやら、猫板に頬杖やら、料理の方は隙(ひま)らしい...
泉鏡花 「歌行燈」
...後には頭から頤(あご)へ掛けて、冠(かんむり)の紐(ひも)のように結んで、垂れ下ったところを握ったまま、立膝になって、壁の摺絵を見つめる...
鈴木三重吉 「千鳥」
...「六代目はああいふ気儘(きまゝ)つ児(こ)だから……」梅幸は蓮葉(はすは)らしく立膝(たてひざ)の上で長煙管(ながきせる)をくるくる廻した...
薄田泣菫 「茶話」
...百右衛門すこしもひるまず左手で抜き合わすを鞠は踏み込んで両足を払えば百右衛門立膝(たてひざ)になってもさらに弱るところなく...
太宰治 「新釈諸国噺」
...立膝の間に顏ごと押しこんで...
田畑修一郎 「南方」
...蚊帳(かや)の外に立膝している庸三に感激的な言葉をささやくのであった...
徳田秋声 「仮装人物」
...水色の紗に漉された和らかな電燈の光の中、屏風を背景に、立膝で、長襦袢からぬけ出した上半身……...
豊島与志雄 「操守」
...例の艶(なまめ)かしい立膝(たてひざ)ながらに手水鉢の柄杓から水を汲んで手先を洗っていると...
永井荷風 「妾宅」
...」と立膝(たてひざ)の長煙管(ながぎせる)に種員が大事の創作をば無造作に引寄せようとする...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...鏡に向って立膝をしながら...
中里介山 「大菩薩峠」
...立膝式に座を占めてしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...正面切ったのは、色の白い、ちょっとぼうぼう眉のお公卿(くげ)さんと見えるような大姐御(おおあねご)、どてらを引っかけて、立膝で、手札と場札とを見比べている...
中里介山 「大菩薩峠」
...一見しょうづかの婆(ばば)とも見える姿をした女性が立膝を構えている...
中里介山 「大菩薩峠」
...お品(しな)の硬着(かうちやく)した身體(からだ)は曲(ま)げて立膝(たてひざ)にして棺桶(くわんをけ)へ入(い)れられた...
長塚節 「土」
...手拭(てぬぐい)ゆかたの立膝(たてひざ)で昔話をして...
長谷川時雨 「お墓のすげかえ」
...立膝をしているのもあり...
久生十蘭 「海豹島」
...これも立膝をだいて悄然として坐っていた...
室生犀星 「後の日の童子」
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