...入り口に梅ヶ岡と云ふ立て札がしてあつた...
岩野泡鳴 「鹽原日記」
...道々に見てきたような立退先の立て札一つ建っていなかった...
海野十三 「棺桶の花嫁」
...立て札なき、たった十坪の青草原を!性愛を恥じるな! 公園の噴水の傍のベンチに於ける、人の眼恥じざる清潔の抱擁(ほうよう)と、老教授R氏の閉め切りし閨の中と、その汚濁、果していずれぞや...
太宰治 「HUMAN LOST」
...「お姫様(ひいさま)」乳母は前からその立て札に気が付いていたのか...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...子熊のほうはたぶんそのうちに東京の動物園に現われ檻(おり)の前の立て札には「従来捕獲されたる白熊の中にて最高緯度の極北において捕獲されたるものなり」といったような説明書がつくことであろう...
寺田寅彦 「空想日録」
...書店の店頭の大きな立て札もやめてもらいたいくらいである...
寺田寅彦 「一つの思考実験」
...その周囲の芝生に立ち入るなと書いた明白な立て札はあるが...
寺田寅彦 「LIBER STUDIORUM」
...代わりにこんな立て札を見つける...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...大谷刑部少輔吉継(しょうゆうよしつぐ)様御宿舎という立て札を見たように思うが」「では...
吉川英治 「大谷刑部」
...それは暗に彼の悪政を歌った落首(らくしゅ)の立て札であった...
吉川英治 「新書太閤記」
...立て札に足を止める往来の人々も...
吉川英治 「新書太閤記」
...辻には“林獄囚逮捕令”の立て札が...
吉川英治 「新・水滸伝」
...諸民ノ指弾(シダン)ニ委(イ)ス城県知事(ウンジョウケンチジ)立て札の文字が雷横を射すくめている...
吉川英治 「新・水滸伝」
...脚ニ北海ノ蒼龍(ソウリュウ)ヲ蹴ル」と二行に書いた立て札まで建っている...
吉川英治 「新・水滸伝」
...親方さまの立て札を...
吉川英治 「新・水滸伝」
...月毛じゃの」「何やら立て札があるわ」「この飼料(かいば)のおん豆を煎(せん)じて飲ますれば...
吉川英治 「宮本武蔵」
...こういう立て札を幾十となく江戸中へ建てたからであった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...立て札――「曲者(くせもの)め!」耀蔵は...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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