...立ち枯れになった白樺(しらかば)の根本へ女の体は仰向(あおむ)けに寝かされた...
田中貢太郎 「警察署長」
...頭の先から立ち枯れてゆくのだ...
田中英光 「さようなら」
...これで田植ができる雨を聴きつゝ寝る・いたゞきは立ち枯れの一樹・蠅がうるさい独を守る・ひとりのあつい茶をすゝる・花いばら...
種田山頭火 「行乞記」
...草が茫々と立ち枯れてゐて...
土田耕平 「時男さんのこと」
...道ばたにはところどころに赤く立ち枯れになった黍(きび)の畑が...
寺田寅彦 「写生紀行」
...それ自身だけに任せておくととかく立ち枯れになりやすい理論に生命の水をそそぎ...
寺田寅彦 「量的と質的と統計的と」
...立ち枯れた雑草の中に私は飛びこみ...
豊島与志雄 「紫の壜」
...立ち枯れする樹木と同じだ...
豊島与志雄 「ものの影」
...伸び茂るもの、立ち枯れるもの、他物に絡みつくもの、みな自然にそうなっていた...
豊島与志雄 「山吹の花」
...こうした自然の立ち枯れが大好きだ...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...錆(さ)びた針金のように立ち枯れた...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...生(お)い茂(しげ)る立ち枯れの萱(かや)をごそつかせた後(うし)ろ姿の眼(め)につくは...
夏目漱石 「虞美人草」
...立ち枯れの秋草が気紛(きまぐれ)の時節を誤って...
夏目漱石 「虞美人草」
...わずかに半分ほどの高さに折れ残った円柱が石筍の如く立ち枯れてるような有様で...
野上豊一郎 「パルテノン」
...あの半ば立ち枯れた古い木の見えるところまで...
堀辰雄 「菜穂子」
...立ち枯れよとばかり風がなお吹き荒れて...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「四日白魔」
...中には白く骨の如くになつて立ち枯れしたものもある...
吉江喬松 「山岳美觀」
...二抱えも三抱えもある大きな白樺の幹が大方は半ば燃えたままに立ち枯れていた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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