...竈屋(かまや)のほうでは...
伊藤左千夫 「紅黄録」
...毎晩のように竈(かまど)の前に藁把(わらたば)を敷いて自分を暖まらしてくれた...
伊藤左千夫 「守の家」
...爺さんはしきりに炭焼竈の煙をさかんにあげて飛行機の方に相図(あいず)をしました...
海野十三 「怪塔王」
...もうそこには人の出入りもなく竈の火の燃え立つこともあるまいとしか思われなかった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...左側には二つの竈(かまど)があって...
田中貢太郎 「竈の中の顔」
...しかしどこの麺麭屋でもその竈の上の雪溶けの濡れた所には...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
......
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...夕化粧の襟足際立(きわだ)つ手拭の冠(かぶ)り方、襟付の小袖(こそで)、肩から滑り落ちそうなお召(めし)の半纏(はんてん)、お召の前掛、しどけなく引掛(ひっかけ)に結んだ昼夜帯(ちゅうやおび)、凡て現代の道徳家をしては覚えず眉を顰(ひそ)めしめ、警察官をしては坐(そぞろ)に嫌疑の眼(まなこ)を鋭くさせるような国貞振(くにさだぶ)りの年増盛(としまざか)りが、まめまめしく台所に働いている姿は勝手口の破れた水障子、引窓の綱、七輪(しちりん)、水瓶(みずがめ)、竈(かまど)、その傍(そば)の煤(すす)けた柱に貼(は)った荒神様(こうじんさま)のお札(ふだ)なぞ、一体に汚らしく乱雑に見える周囲の道具立(どうぐだて)と相俟(あいま)って、草双紙(くさぞうし)に見るような何という果敢(はかな)い佗住居(わびずまい)の情調、また哥沢(うたざわ)の節廻しに唄い古されたような、何という三絃的情調を示すのであろう...
永井荷風 「妾宅」
...其竈の煙が家一杯にこもつて居るのである...
長塚節 「芋掘り」
...卯平(うへい)とは一(ひと)つ家(うち)で竈(かまど)を別(べつ)にすることに成(な)つた...
長塚節 「土」
...竈の蓋(ふた)をくぐって...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...土竈(へつつひ)の側に相對しました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...土間の右手竈の辺へダダッと転んだりして一かたまりになって殺倒し...
三好十郎 「斬られの仙太」
...玉子焼鍋で工合を覚えると御飯を炊(た)いた時火を引いた後にお釜を蒸らしながら竈(へっつい)の中の灰へブリキの箱を入れて竈の前をブリキの蓋で塞げると竈の暖気で西洋菓子でも何でも出来ます」と活用法にも限りなし...
村井弦斎 「食道楽」
...左手(ゆんで)には粗末に積み上げたる煉瓦(れんが)の竈(かまど)あり...
森鴎外 「舞姫」
...竈(かまど)に焚きつけ...
横光利一 「夜の靴」
...暮れゆく春の竈場(フオオイエ)なり...
與謝野寛 「妄動」
...これを割って庫裡(くり)の竈(かまど)へ薪(たきぎ)として運んでいたのを見かけ...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??